アパレル3DCADで乳袋の設計
前回の検討
でバストの大きい人用の原型型紙補正をしてみました。
今度はアニメでよく見られる乳袋の型紙楽天 を設計してみようと思います。
人体モデルは「産業技術総合研究所 AIST/HQL人体寸法・形状データベース2003」
こちら
からお借りしました。
巨乳服の表現
この表現が一般的なのかは知らないのですが、乳袋、乳テント、乳カーテンといった形状があるようです。
こちら
一般的な用語なのかな?実際の服はともかくアニメ、イラストの世界ではこういったものがあるのでしょう。
乳テント形状は、前回作った原型型紙と同様の形状です。
乳カーテンは、原型型紙のウエスト数値を修正すれば簡単に作れます。
テント型紙とカーテン型紙
まずはこの二つの型紙を作ってみました。
テント形状は、原型型紙そのままです。
カーテンはウエスト部分が絞られないので、ウエストの寸法をバストと同じに変更したものです。
乳袋型紙の設計
人体の断面で考えてみます。
バスト部分の断面の長さは890mmほどあります。ウエスト部分では620mm。
テント型の型紙は、布の幅がバストからウエストにかけて一定の割合で減っています。なので断面では直線的なカーブが現れます。
カーテン型では、布幅は変わらないので垂直な直線となります。
袋型にするにはアンダーバストの断面位置で布の幅をアンダーバスト長さに減らせば良さそうです。
布緑色部分を余分に切れば布の長さは減りますが、単純に切るだけでは縫い合わせても適正な形にはなりません。
型紙の展開
原型型紙そのままでは扱いにくいので、型紙を展開してプリンセスラインの型紙に変更します。
まずバストから袖ぐりへ伸ばしているダーツを肩に移動させます。
ウエストダーツは一つにまとめてバストからウエストラインに落とします。
直線ではうまく繋がらないので、なめらかな曲線に書き直します。これでプリンセスラインの型紙になりました。
プリンセスラインでは下の図の緑の部分を切り取れば、アンダーバストの部分で服が体に密着してくれそうです。
アンダーバスト部分の形状変更
モデリングを変更して、下の動画のように形状を変えられるようにしました。
これでパラメータを変えるだけで型紙を乳テントから乳袋に変えることが出来るようになりました。
3次元での検証
3次元で服をパターンを人体モデルに着せ、パラメーターを変えてみます。
ほぼ期待通りの結果になったのですが、現実はアニメと違うので、布を乳房の下の部分のカーブに沿わせるのは重力の関係上無理っぽい。
アニメやイラストで見るような外見にするのは、なかなか難しいと感じました。
脇の下にしわがどうしても残ってしまいます。これはなんとかなくしたいのですが今のところアイデアが浮かびません。どこかにダーツを入れれば改善すると思うのですが...
胸ダーツの追加
色々考えた末普通にダーツを入れることにしました。
ダーツの追加方法
切り開く線上に点を打つ
反対側の線の上にも点を打つ
オフセットに点を打つ
開く側の曲線を点で分割する
ダーツ線を引く
回転移動
滑らかにつながる曲線を引く
ダーツ線を追加
ダーツの位置と開く角度はとりあえず目見当で作っておき、三次元を見ながら最適な位置大きさに変更します。
ダーツ追加前後の様子です。布のだぶつきが綺麗になくなりました。
最終更新日: 2020-07-31 15:40:32