テキスタイルプリントでキャスケット
世界地図の画像データを加工して地球儀キャスケットを作りました。作りかた、手順を紹介しています。
エンジニアードプリント
柄物の服や帽子を作る場合、布地の柄に合わせてパターンを置き、生地を切り抜きます。
これに対して、パターン楽天 に合わせて柄をおき、プリントすることを、エンジニアードプリント、エンジニアード柄といいます。
上の作例では、地図が布の切れ目をまたいできれなく続くように柄を配置してプリントしています。
元の世界地図はこれです。
正距方位図法と呼ばれる図法で書いた地図です。この地図では北極点を中心に描かれています。北極から見た世界の各地点の方位と距離が正しくなっています。
この地図を変形させて、キャスケット楽天 のパターンに合うようにしたのが下です。
単純に世界地図を切り抜いただけでは、隣のパターンとずれてしまいます。また、縫い代も必要なので、その分もずれてしまいます。
この変形処理はフリーソフトの洋裁CADを使って行いました。洋裁CADは私が開発している趣味洋裁用のCADです。
現在のところ、エンジニアードプリントデータを作成できるフリーソフトは洋裁CADだけのようです。
テキスタイルプリント
洋裁CADで作成したテキスタイルデータは、画像イメージファイルとして出力されます。
このデータを布にプリントします。ふつうのプリンターは布に印刷することはできませんが、布にプリントが可能なテキスタイルプリンターも存在しています。価格は安い物でも高級自動車くらいするそうです。
大きなものは家が買えるくらい。
とても個人では購入できませんが、プリントサービスをしてくれる業者さんが多数あるので、こちらに依頼すれば布にプリントをしてもらえます。
プリントサービスの会社に画像データを送れば、10日くらいでプリント済の布が届きます。
このあとは普通の手順でキャスケットを作れば完成です。パターンが印刷されているので型紙は不要、型紙楽天 を写すときのずれもないので、早く正確に作れます。
布の収縮に注意
この方法には一つ問題があります。
新しい布は選択すると縮みます。服など洗濯するものは縮んだら困るので、水通しを行い、縮ませてから裁断します。
テキスタイルプリントの場合は新品の布にパターンをプリントするので、水通し(洗濯)をするとパターンが縮んでしまいます。
そこで、あらかじめ使う生地の縮み率を測っておき、その分だけ伸ばしたイメージをプリントするようにします。
作成のキャスケットに使った布は、縦糸方向に4%、横糸方向に1%縮みましたので、その分だけ伸ばしています。
縮み率は多少変動しますが、今のところ不具合が出るほど外れたことはありません。
最終更新日: 2019-04-15 10:01:44