3次元CADで帽子の型紙を製作
前回3次元CADのFusion360とアドインのExact Flatを使ってぬいぐるみの3Dモデルから型紙をとり、それを使ってぬいぐるみを作ってみました。
今回は同じ方法で帽子を作って「めでたしめでたし」というところだったのですが...
よく見たらうまく出来ておらず、この方法で作ること自体が不適と判明したのでその理由を書くことにします。
作り方の手順
単純な形状の帽子を考えました。金田一耕助が映画の中で被っている帽子です。
こんなやつ
3D-CADでは、
こんな帽子の断面を描き、360度回転して形状を作ります。
6枚はぎの型紙楽天 にしたかったので、この帽子モデルの面を1/6に分割します。
この分割した1/6の曲面を、Exact Flatを使って平面の型紙に変換します。
この型紙をダウンロード、印刷して布を裁断する型紙にします。
3Dモデルを作り始めてから30分くらいでダウンロードできました。快適な速さで驚きです。
6枚はぎの帽子なので、表用6枚、裏用6枚、12枚の布を裁断して縫い合わせれば完成です。
縫う作業も単純な構造なのですんなりできました。
型紙の誤差と重要寸法の維持
かぶってみて「ちょっと小さいかな」と思ったのですが、試作だったのであまり気に留めずにいたのです。
あとで確認して、重要な寸法が変わってしまっていることに気づき、驚いてしまいました。
帽子で重要な寸法は、「頭周り」です。これが小さければ入らないし、大きければブカブカです。
設計ではこのサイズをかなり大きめの630㎜(100×2×3.14)にしていました(下の図の下の方、100㎜とあるのがその寸法です)。
なので、型紙の該当位置の幅は105mm(630÷6)になっているはずですが...測ってみると87㎜でした。
3次元の曲面を2次元にするのですから、必ずどこかへゆがみが出るはずです。この差はおそらくこの3D→2Dへの変換時にできたものと思われます。
頭周り630mmで設計楽天 して、できたものは522㎜(87×6)ですから、誤差が大きすぎます。
試しに重要寸法の位置で型紙を分割したらうまくゆくかと思い、作ってみましたが...
今度は6㎜ほどの差ができてしまいました。
誤差、大きすぎですね。残念ですが、この方法で帽子の型紙を作るのは難がありそうです。
最終更新日: 2017-08-17 11:08:34