3Dプリンターで服を作ることはできるか
答え:出来ません
この前、NHKのクローズアップ現代で、3Dプリンターで服を作るというものを放送していました。
レディガガさんの衣装もこの装置で作ったとありましたが、映像をよく見ると、服というよりは鎧ですね。
3Dプリンターとは何か
私は家電製品の設計の仕事をしています。試作品を数個作るのに3Dプリンターは便利なのでよく使います。
いろいろな種類がありますが、出来上がるものはすべて樹脂製品です。
光で固まる液体の樹脂に光を当てる方法、粉の樹脂に熱を加えて固めてゆく方法、線状の樹脂を溶かしながら盛り上げてゆく方法
などがあります。
ずーっと昔は、紙をカットし、たくさん重ねて3Dにするというものもありましたが、今では見かけません。
繊維をプリントすることはできない
普通、服といえば繊維です。
樹脂の繊維もありますが、現状では、繊維のような繊細な構造は3Dプリンターでは作れません。
鎖帷子とか、兜のような帽子も服のうちに入れるのであれば...こうした固いものは作ることができます。
ですが、普通はそんなものを着て歩いている人はいないので、やはり3Dプリンターで服は作れないと考えるのがよいでしょう。
3Dプリンターの自作方法
MAKEという雑誌で昔読んだことがあります。紛体の樹脂を溶かす代わりに、グラニュー糖を水で溶かす方法です。
箱の中に均等の厚さに薄く砂糖を敷き、固めたいところに水をかけ、固めます。
その上に薄くグラニュー糖をかぶせ、水をかけ...の繰り返し。
最後に砂糖の中から完成した製品を掘り出します。
水をかける作業と砂糖を敷きつめる作業をコンピューター制御制御すれば、立派な3Dプリンターになります。
出来上がった製品は砂糖ですから、実際の使用には耐えられないでしょう。お菓子を作るのが目的であれば、
「アマチュアでも3Dプリンターを自作してお菓子を作ることができる」といえます。
砂糖製品をシリコンで型どりし、ほかの材料を置き換える方法はあるでしょう。
線状の樹脂を溶かす方法の3Dプリンターのキットも存在しています。
Make誌Vol.10
表紙の写真は3Dプリンターのキットで、エンパイアステートビルをプリントしています。
3Dプリンターに似たもの
私は趣味で洋裁をしています。仕事で設計楽天 をしているので図面を書くこともできます。
CADで作った型紙の図面楽天 データを入力すれば、布を図面通りにカットできる装置があればいいなあと思います。
実際に業務用ではあるのですが、装置自体が部屋一つ分くらいあるものなので、とても個人では持てません。
巨大なアパレルCAM。布をたくさん重ねて一気にカットし、一度に100着分くらいカットしてしまいます。
大阪ミシンショーで見学しました。こちら
個人では、CADで書いた型紙楽天 をプリンターに出すのが関の山です。
図面通りに紙をカットして型紙を作ってくれる装置なら、市販されています。
これは私も持っているのですが、A4サイズの紙しか切れず、便利でもないのでほとんど使っていません。
カッティングプロッター
最近はA1くらいの大きいサイズも切れる機種が出ているそうです。紙、厚紙、樹脂フィルムをカットできます。
残念ですが布地をカットすることはできません。
近い将来に、布が切れるプロッターが出ないかなと思っているのですが、無理ですかね。
3Dプリントサービスが開始される
たまたま知ったのですが、今日(2013年7月3日)から、
ネット3Dプリント
サービスが開始されたそうです。
まだ中をよく見ていないのですが、これは面白そう。
最終更新日: 2017-08-28 09:45:07