柿の落葉病・防除と対策
柿の木を栽培していると、9月頃にはもう葉が落葉し始めてしまい、実が大きくならないことがあります。
これは落葉病と呼ばれる病気で、病原菌が柿に感染することで発生します。
我が家にはたくさんの柿の木がありますが、この落葉病に罹患してしまい、回復できていません。
近所には放置され、伸び放題の柿畑がたくさんあり、それらが感染しているので、我が家の木だけを防除してもなかなか菌が減らないのだと思います。
落葉病の症状
落葉病にかかると、まだ暖かい9月末頃から、葉が落葉してしまいます。
柿の実も多くは落ちてしまいますが、残った実も大きくはならず、甘みも少ないです。
病気とはいっても人間には感染しないので、柿の実は食べても全く問題はありません。
落ち葉で敷き詰められた柿畑。2009年9月撮影。
周りの雑草はまだ青々としているのに、大量の柿の葉が大量に落ちています。
落葉病にかかった木。2009年9月撮影。
葉が落ちてしまい、十分に大きくなれない実が残されています。
落葉病の予防:殺菌剤
細菌の感染が原因なので、殺菌剤を散布することで予防できます。
症状が現れてからでは遅いので、あらかじめ予防として散布します。
一度罹患した木でも、殺菌剤を散布して菌を退治すれば元に戻ります。
通常は他の病害虫向けの農薬と混ぜて、同時に散布します。
散布の時期は6月上旬と8月下旬の2回くらいが良いそうです。
6月は梅雨、8月は猛暑なので、けっこう辛いですね。
使用する殺菌剤は、毎回変えたほうが耐性が付かずに効果的です。
私は現在、主に「ベンレート水和剤」という薬剤を使用しています。
また、4月に葉が芽吹き始めた頃に硫黄合剤を散布しておくと、落葉病以外にもいろいろな障害の予防になります。
こちらに柿の予防消毒の年間スケジュールをまとめましたので、参考にしてみてください。農協からもらった資料を基に作表しています。
落葉病の予防:落ち葉の処理
落ち葉は病原菌を含んでいるので、そのまま畑内に放置すると蔓延してしまいます。
柿畑から運び出して、焼却すると大変効果的です。
落葉病の予防:樹皮削り
柿の古い樹皮や樹皮に生えている苔には病原菌や害虫がすんでいます。
これも菌の潜む場所になっているので、冬の間に削り落としておきましょう。
他の有害な菌や害虫の温床にもなっているので、皮削りは大変有効です。
落葉病では柿の木は枯れない
柿の木は寿命が長く、丈夫です。落葉病にかかったからといって、枯れてしまうことは、あまりありません。
しかし、葉が落ちることで光合成の期間が減り、木の体力は減ってしまいます。
樹勢が衰えることでさらに落葉病がはびこる原因にもなります。
肥料を与え、樹の周りの雑草を刈りとり、適切に剪定して、木の健康を守りましょう。
葉が落ち始めてしまったら...
秋9月ころに柿の葉が落ち始めたら、落葉病に罹患していると考えてよいでしょう。
落ち始めてからの対策方法は、残念ながらありません。
この年は諦めるしかありません。
落ち葉を片付け、殺菌剤を散布して、来年はよい柿を育てましょう。
柿畑の近況
2020年は梅雨が長引いたために菌が繁殖したらしく、私の柿園は落葉病が蔓延してしまい、10月にはすっかり葉が落ちてしまいました。
殺菌剤の散布は6月下旬に1回だけ。8月はギックリ腰になってしまい、散布できませんでした。
近所の2回散布した柿は、落葉しましたがまだ葉はあります。3回散布した柿はほぼ罹患していない状況です。
殺菌剤の散布は年に3回行うのが良いかもしれません。
来年こそはよい柿が収穫できるように頑張ります。
最終更新日: 2020-10-13 08:34:15