柿の消毒時期、病気の予防
我が家には先々代から伝わる柿の木がたくさんあります。
今は単身赴任していてなかなか時間がないのですが、出来る限りこの柿たちを世話して行きたいと思っています。
柿の木の害虫駆除、病気を予防するための消毒について、年間のスケジュール、農薬の種類、回数、などを紹介します。
柿の木の消毒作業
私の地域(岡山県)の農協が推奨している柿(富有柿)の栽培カレンダーが下です。
農薬楽天 は、4月上下旬、6月上下旬、8月、9月、12月と、
ずいぶんたくさん散布することが推奨されています。
しかし、柿は果物の中でもっとも農薬が少なくて済む種類の一つです。私の家の周りでは、6月中旬に1回だけ散布する人が多いです。実際にそのくらいの消毒でも十分に実ってくれます。
月 | 生育過程 | 作業 | 防除対象 | 適用農薬 | 注意事項 |
12月~3月 | 粗皮削り 整枝せん定 | カキノキマダラメイガ、枝の分岐部の粗皮削りによる捕殺 | |||
4月上旬 | カイガラムシ、ハダニ | 石灰硫黄合剤 7倍 | 石灰硫黄合剤は100倍で黒星病うどん粉病に登録あり | ||
4月中旬 | 発芽期 | 防霜 | |||
4月下~5月上旬 | 新梢伸長期 | 摘蕾 | カキクダアザミウマ、カキノヘタムシガ | オルトラン水1500倍 | カキクダアザミウマに大型のスリップスで葉を縦に巻く被害を示す |
6月上~6月中旬 | 開花期、落花期、果実肥大 | カキクダアザミウマ、落葉病、炭そ病、うどん粉病、カキノヘタムシガ、カメムシ類 | ラビライト水500倍、MRジョーカー水2000倍 | ||
6月下旬 | 新梢停止期 | 落葉病、炭そ病、うどん粉病、カメムシ類 | ストロビーLF3000倍スタークル顆溶2000倍 | ||
7月中旬 | 摘果 | ||||
7月下旬 | 追肥 | ||||
8月上旬 | かん水 | イラガ、カキノヘタムシガ、カキクダアザミウマ | コテツF2000倍 | ||
8月下旬 | 落葉病、炭そ病、うどん粉病 | トップジンM水1500倍 | |||
10月 | 成熟期 | ||||
11月 | 落葉期 | 土作り基肥施用 | 落ち葉の処分を徹底する(落葉病予防) | ||
12月上旬 | 排水対策 | カイガラムシ | 機械油乳剤20倍 |
柿に散布する農薬と使用目的
パダン、ラビライト水和剤、この二つ。
パダンは殺虫剤、ラビライト水和剤は殺菌剤です。
消毒のタイミングは、害虫のライフサイクルに合わせることが重要です。
害虫が生まれる前に散布しても意味がありませんし、大きくなってから散布しても
なかなか死んでくれません。
害虫が孵化してまだ小さいときに散布するのがコツです。
他には葉に薬剤をくっつけるための展着剤も必要です。展着剤を入れておくと、農薬が葉の上で弾かれず、なじんでくれます。
この三つを規定の濃度に水で希釈して噴霧器で柿の木にかけてあげます。
6月中旬はちょうど害虫が孵化する頃ですが、年によって前後するし、週末に雨が降ると散布も出来ないので、
タイミングが難しいです。天候が悪く、散布できない年もあります。
パダンの主な駆除対象はカキノヘタムシガです。この害虫が入ると身が変形したり、落ちてしまったりします。
ラビライト水和剤は落葉病の予防が目的です。我が家の柿の一番の問題は落葉病です。毎年葉が早く落ちてしまい、
実が大きくならないのです。
農薬散布に必要な道具
ゴム手袋、ヘアーキャップ(ホテルの部屋においてあるものを持ち帰っておいて使います)、カッパ。
農薬を調合するための樽、かき回し棒、電動ポンプ式噴霧器、延長コード。
そのほかに農薬と秤が必要です。
農薬の調合方法
樽の中に水をいれ、ここに農薬を入れてゆきます。農薬は○×倍、というように希釈率が決まっています。
10リットルとか20リットルと、キリの良い水量で作業すると、計算も楽に出来ます。
パダンは顆粒になっていて、付属のキャップで分量が量れるので取り扱いが簡単です。
パダンを溶かした後、展着剤を入れているところ。展着剤は薬剤を付着しやすくするもので、雨にも流れにくくなるそうです。
ラビライト水和剤は粉状で飛び散りやすいので要注意。一度鼻から吸い込んでしまい、ひどく痛い思いをしました。この農薬は秤で計量します。
ラビライト水和剤を先ほどの溶液に追加して掻き混ぜたら、薬液の完成です。
農薬は自分にかからぬよう、十分に気を付けて散布しましょう。我が家の場合は、風呂を沸かしておいてから散布します。散布後は速やかに風呂に入ってうがいなどもしておきます。
昔の人は散布後に解毒剤として生卵を飲んだそうですが...これは気休めですね。
最終更新日: 2019-03-11 08:31:30