木の曲げかたの検討
木工をしていると、「木を曲げてみたい」と一度は考えると思います。家具とか、ソリ、カヌーなど、木を曲げて作られているものもありますが、趣味で木を曲げる加工をするのは難しいです。
竹は温めて曲げることが出来ますが、同じように木を温めて曲げようとしてもささくれてしまい、うまくゆきません。
今回、良い案を思いついたので実験してみました。
あらかじめ書いておきますが、結果は失敗です。再チャレンジしてうまくやってみたいと思います。
木を曲げる方法
木を構成しているセルロースは堅いので、常温では曲げることはできません。折れてしまいます。
セルロースを加熱すると、柔らかくなるため、曲げることが出来ます。曲げたまま冷やせば木は曲がった形のままになります。
竹も同様に曲げることが出来ます。竹の場合、火であぶって、柔らかくなったところを「クイッ」と曲げて水で冷やせばOKなのですが、木ではうまくゆきません。
曲げると、木の厚みの真ん中あたりから内側は圧縮、外側には引張りの力が加わります。竹は引っ張りに比較的強いのですが、木は弱いので、引っ張られたところが裂けてしまいます。
ではどう曲げているのかというと...
曲げる外側に鉄の薄い板を添わせ、鉄と一緒に曲げます。鉄は伸びにくいので、木には圧縮の力だけが加わります。
こうすれば、木も曲げることが出来るわけです。
しかし、ここで難しいのが、鉄の添わせ方。単純に木と並べただけでは意味がありません。
木を包み込むようなコの字型の形状にしないといけません。
これだと曲げる木の寸法に合わせて鉄板を作らなければいけません。
そこで、簡単にできる方法として、鉄板をコーススレッドで固定する方法を考えてみました。
こんな感じで鉄帯を固定するのですが...
木にコーススレッドの穴が開いてしまうのが大きな欠点になります。
とはいえ、木を手軽に曲げられるなら曲げてみたいものです。
木を曲げる試験
この鉄板付きの木を曲げてみることにしました。
加熱する方法は、一般的と思われる、蒸す方法。鍋に水を入て沸騰させ、その上に木を置き、漏斗とタオルで蒸気を閉じ込め、木を加熱します。
鍋のふたを使わず、漏斗を使ったのは、「煙突」があったほうがいいかなと考えたため。
用意する道具
鍋、漏斗、タオルのほかに、耐熱手袋も用意しました。やけど防止用です。
庭先には水を張った洗面器(冷却用)、太い竹(これを木に押し付けて曲げる)を準備。
20分ほど蒸気を当て、手早く外に出して竹を押し付け、これを支点に「えいや!」と力の限り曲げてみましたが...
びくともしませんでした。
木に触れてみると、熱くない状態でした。どうやら加熱が足りないようでした。
失敗です。
リベンジに向けて
まとまった時間を確保出来たら、再挑戦しようとおもいます。加熱の方法が甘かったので、次回はアイロンを押し当てて加熱してみようと考えています。
気体の蒸気を当てるより固体のアイロンを当てたほうが早く確実に加熱できそうです。
よくよく考えてみれば、アイロンを使った方がはるかに安全だし、サイズもピッタリですね。
最終更新日: 2020-01-10 04:49:31