マツクイムシ対策の方法
松の剪定講習に行って、マツクイムシ防除の方法も聞いてきたのでまとめてみました。
マツクイムシ発生のメカニズム
松枯れはマツノマダラカミキリがマツノザイセンチュウを健全な松に移すことで伝染してゆきます。
カミキリ虫によって健康な松に入ったセンチョウは、樹木内で猛烈に繁殖し、毎年8月頃から松の枯れ症状が現れ始めます。
ちょうどこの頃は、高温と乾燥で樹木も一番衰弱している時期に当ります。
衰弱して松脂の出が止まれば、カミキリムシの産卵対象樹となり、孵化した幼虫は樹の中に潜りこみ越冬します。
暖かくなると樹の中に散らばっていたセンチュウはカミキリの踊付近に集まり、体内に入り込みます。
5月ころ、カミキリムシはセンチュウを抱えて羽化し、別の健全な松にセンチュウを移します。
センチュウが松を弱らせ、弱った松を利用してカミキリが繁殖し、さらに新たな松にセンチュウを移す。これがマツクイムシ発生のサイクルになります。
マツクイムシ防除のしかた
松を健全な状態に保つことが最も重要です。
そのためには、日頃から 肥料、水やり、
剪定
楽天 などの管理をしっかりしておきます。
葉が変色したり、枯れ葉がついている、ヤニの出が悪い樹は不健康な状態なので気をつけます。
カミキリが羽化して小枝を食べる時期(5-6月)に殺虫剤を散布します。
殺センチュウ処理(1-2月)を行います。
っことが
防除作業
殺虫剤散布は、スミパイン乳剤150-200倍液、マツグリーン液剤2、60-100倍液などを使います。
カミキリ虫発生初期(5月下旬頃)発生最盛期 (6月中旬頃)の最低2回は農薬散布しましょう。
カミキリ虫を殺すことでセンチュウの侵入を防ぎます。
殺センチュウ処理は樹幹注入剤、又は土壌灌注剤を使います。
樹幹注入剤には、ネマノーン注入剤、マツガードなどがあります。
カミキリ虫成虫発生3ヶ月前までのマツヤニの出ない時期(1-2月)に幹に注入します。
地上1m位の高さの幹に、6mm位のドリルで斜め下に向けて穴(深さ4-5cm)をあけ、 薬剤を注入します。
注入後、コルクでふたをします。
土壌灌注剤としてネマバスターを使用します。
カミキリの成虫発生2-3ヶ月前(2月頃) に土壌権注します。
場所は、松の樹の太さの2-3倍を半径とする円状に深さ20cm、幅20cmの溝を掘ります。バケツやジョウロなどでネマバスター0倍液を準注して土を埋め戻します。
薬量は樹の太さに応じて決めます。
幼木や衰弱した樹移植直後の樹、根の浅い樹などには薬害を生じる恐れがありますので注意する必要があります。
松の健康を保つ方法
樹勢はヤニの出が十分あるかどうかで判断します。出ていない樹は弱っています。
施肥の方法
1-2月の寒い時期に寒肥を与えます。
この時期は地上部は休眠していますが、根は春に備えて活動を始めています。
緩効性の油かすなどの有機質肥料を1ヶ所に一握り程度施肥します。
夏場に土壌が乾燥した時や 樹勢が弱い時などには、穴を掘って 液肥を与えると効果があります。
最終更新日: 2018-11-20 08:18:01