シイタケの原木栽培
切り出した木にシイタケの菌を植え付け、シイタケを収穫する、原木栽培の方法をまとめました。動画付です。
栽培に適した原木
クヌギ、コナラ、ミズナラが最も適しています。
アベマキ、カシ、シイの木でも栽培出来ます。
シイタケは椎の木に生える茸ということからシイタケという名前なのですが、主にブナ科の樹木に発生する茸です。
原木の伐採時期
秋の黄葉初期から 春の新芽が出るまで。カシ類やシイ類は厳寒期の1月-2月が適期です。
樹液の流動が停止している休眠期に伐採します。
秋の山は大スズメバチが攻撃性を増しているし、マムシも秋に攻撃性が増すので気をつけましょう。
私はいつも真冬に伐採に出かけています。
伐採後はしばらく寝かせる
木を倒したら、葉が付いた状態で1か月くらい放置して乾燥させます。葉がついていると効率的に水分が抜けます。真冬は葉がないので、短く切って放置しておきます。
シイタケは死んだ植物に生える菌なので、水分の多い状態は成長に適していません。
シイタケの品種
販売されているシイタケの菌にはいくつかの品種があります。
違いは主に発生する温度で、低温性、中温性、高温性に分かれます。
主な品種は下記の通り。
115号:低温性。肉厚で大きな茸が出来る
324号:中温性。最低気温が14度くらいになると発生が始まる。
菌の植え付け時期と方法
菌の植え付けは1-4月が適期。梅の花の開花~桜の花の開花くらいの期間に植えます。
種菌には種駒、 形成菌、オガ菌の3種類があって、それぞれ植え方が異なります。
種駒の植え方:ドリル(専用の歯が販売されている)、や専用の器具で種菌の大きさに合った穴をあけ、金づちで種菌の頭が樹皮面より出ないように打ち込む。
形成菌、オガ菌の植え方:種駒と同じように穴をあけて、指で菌を押し込む。そのあと専用のフタをする。
種駒の埋め込み方法
ホームセンターで普通に売っているのは種駒です。私もいつもこれを購入しています。
写真はシイタケのタネ、200個入りです。
中には鉄砲の弾の形をした木がたくさん入っています。木にはシイタケ菌が浸透しています。
ドリルの歯は直径9㎜。黄色のものはストッパーです。これを付けておくと、どの穴も一定の深さに明けることができます。
電動ドリルで穴を開け、種駒を金づちで打ち込んでいるのが下の動画。
種駒の必要量は、どれだけ打ち込むかによって変わってきますが、今回打ち込んだ原木は下の写真くらいの量。
種駒は半分弱残ったので、使ったのは120個くらいになると思います。
植菌後の管理
植菌を終えた原木は、菌糸の活着をはかるために、2-3カ月間、ほだ木を棒積み(横積み)しておきます。庭など乾く場所では上にシートなどなどをかけて保湿します。
種駒は駒の頭が自く発菌した頃、オガ菌は木口に菌糸紋が出現する頃ヨロイ伏せなどに組み替えます。
シイタケ栽培に適した場所
春から秋まで直射日光が当たらず、雨が当たり、通風が適度にあり、排水の良い場所が適しています。具体的には林の中が良いですが、庭の木陰などでも栽培できます。
直射日光が当たらる場合は遮光ネットを適宜張ります。
年間の管理方法
梅雨から夏期は、雑草や低木を刈り払って通風を良くします。
9月頃に、ほだ木の転地返しや積み替えを行い、菌糸を均一に成長させます。
9-10月は菌が茸を作る準備を始めるので、乾燥気味であれば水を撒きます。
生産業者ではこの子をほだ木に衝撃を与えて菌糸に傷をつける作業をするそうです。刺激を与えると茸の発生が促進するそうです。組織が破壊されると危機感を感じ、子孫を残そうとするのでしょうか?
春と秋に発生するので、採り遅れないように収穫します。
最終更新日: 2019-11-08 05:14:16