種子の寿命、保存方法、発芽試験のしかた
家庭菜園では購入した種を使いますが、蒔ききれずに種を残してしまう場合が多いと思います。
私も毎年残してしまうのですが、去年の種を蒔いてまったく発芽しなかったら困ってしまうので、毎年新しい種を購入しています。
よく調べてみると、種の寿命は野菜の種類によって長短があり、場合によっては数年使えるものもあることがわかりました。
また、種の保存方法についても調べたのでこのページを作りました。
種子の寿命
種子は採種後休眠するものもありますが、一般的には種子の発芽能力は、採種後、日数が経過するにつれて徐々に低下します。
種子の寿命は作物の種類によって異なりますが、寿命の長さは貯蔵する場所の温度と湿度の影響を受けます。
温度・湿度ともに低いほど寿命は延びます。
作物別の寿命は大体以下の通り
1-2年:ネギ、玉ねぎ、ニンジン、ミツバ、ラッカセイ
2-3年:キャベツ、レタス、唐辛子、エンドウ、インゲン、ソラマメ、大豆、ごぼう、ほうれん草
3-4年:大根、カブ、白菜、小松菜、キュウリ、カボチャ
4-6年:ナス、トマト、スイカ
種の保存方法
発芽能力を長期間維持するためには、低温・低湿で貯蔵することが大切です。
瓶や缶などで密閉できる容器に十分乾かした種子と乾燥剤を入れてビニールテープで密閉し、冷蔵庫の野菜室(5-10℃)に入れて保存します。
発芽試験の方法
正式な発芽試験方法は作物の種類ごとに決まっていますが、長く保存をしていた場合や自家採取したものは、その種が十分発芽するかどうか気になります。
その場合、発芽するかどうかを簡単に判別する方法があります。
種まきをする前に、次のようにして発芽状況を確認します。
さらにティッシュペーパーを敷き、水をひたひたになるよう加える。
この上に種を並べて置いてラップをかける。
気温の安定した室内に置いて発芽するかどうかを確認します。
発芽するまでの期間は長いものと(ニンジンは7日くらい)短いもの(大根は3日くらい)があるので、作物ごとに発芽日数を確認しておきましょう。
結果が良好であればこの種を使って種まきをします。悪ければ新しい種を購入する方が良いでしよう。
種を発芽させるための条件
作物の種類や種子の条件等によって発芽率、発芽日数が異なりますが、発芽能力のある種子は、温度、水分、酸素、光の条件が整えば発芽します。
種子をまくと、まず一番に水分を吸収して、種がふくらみ、発芽準備期にはいります。
この時に温度、酸素素、光の影響を受けて、成長に必要な代謝が活発になり、幼根が伸び、続いて芽がでます。
自家採取した種、または使用後自宅で長期間保管していた種を使用する場合は、発芽試験をし、発芽状況を確認します。
○土壌
一斉に発芽させるためには土 (水分、土の状態等)を均一にします。
○水分
播種床の水分は適切に管理します。発芽するまでは土壌水分を保ちます。このため、わら、クンタン、不織布等で覆いをし、土壌の乾燥を抑えます。
芽出しをした種は特に乾燥に弱いので注意をします。
○温度
春は低温、夏は高温に注意します。
直まきの場合、気温が低いときには不織布のベた掛けなどで保温します。
気温の高いときは、寒冷砂や芽出しシート等で被覆し地温の低下を図ります。
○酸素
水が多すぎると呼吸できなくなるので気をつけます。
雨の多い時期は排水を良くするために高畦にして播種します。
大雨のおそれがあるときは、種まきを遅らせるようにします。
○光
覆土は種の厚さの2-3倍が目安です。
種子の小さい作物は、好光性のものが多いため、小さい種子は特に覆土には注意します。
覆土が厚すぎると発芽が遅れたり、発芽しなかったりすることがあります。
最終更新日: 2016-09-30 09:19:35