出血する欅の怪
岡山県のある所に、里屋橋という所がある。
その橋の下には片葉の葦がある。昔、里屋橋の南3町ばかりの久保村の山上に大きな欅があった。村民はこれをもって橋材にしようと考えた。
幹に斧を入れると、樹身から出血してくる。七日がかりで倒し、今度は運搬しようとしたが、石のように重くて幾多の人夫を雇っても動かすことが出来ない。
困ってしまったが、村内の美人の娘に掛け声をかけさせたところ、難なく動かすことが出来たという。
之も伝説であるから載せてみたが、うそと思えば腹も立つまい。
管理人注
これも不思議な話になるのでしょうか?
若い娘の掛け声で人夫たちが発奮しただけの話じゃないのでしょうか。
血は赤い樹液だったとか。
ところで、話の最初に出てくる片葉の葦って、結局本題の話とは無関係な不思議話なんですよね。
岡山県の久保村というのは過去に存在したようですが、現在どの場所なのかは、調べ切れませんでした。
ネットで里屋橋を検索したら、福島県いわき市鹿島町に全く同じ話が残っており、里屋橋も現存しているそうですこちら。
片葉の葦はもう生えていないようですが。
この明治時代の本、場所を間違えて記したのでしょう。
最終更新日: 2014-08-17 20:07:22