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ミツバチ用電気柵の構造

ミツバチを飼育している人にとって秋は頭の痛い季節です。

大スズメバチがミツバチの巣を襲い始めるからです。西洋ミツバチの場合、放置しておけばあっという間に全滅。日本ミツバチの場合、撃退することもありますが、逃亡してしまったりします。

私も毎年、ミツバチを全滅させてしまっていましたが、最近やっと対策が出来ました。

特に今年はスズメバチの害は皆無!。単身赴任で2週間に1回しかミツバチの世話を出来ない私でも、この電気柵があれば安心して飼育できます。

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養蜂の省力化に威力を発揮するこの電気柵楽天 、どんな構造なのか、紹介いたします。

電気柵を自作した目的

省力化が目的です。従来の防除器では効率が悪く、また、時々見回りに行かないと全滅してしまいます。単身赴任でなかなか管理の出来ない私は、毎年のようにミツバチを全滅させてしまい、苦い思いをしてきました。

管理が少なくて済むスズメバチ防除方法ができて初めて、私のミツバチは越冬ができるようになったのです。

電気柵の特許

 特許庁のHPで検索してみると、

  出願番号 許出願2001-246820

  発明の名称 養蜂巣箱のスズメバチ撃退用電気ゲート

  発明者 大槻 昭彦 氏

というのがあります。また、玉川大学のミツバチ科学研究会で発表された、

玉川大学電気柵

こんな電気柵も既にありますが、私の製作したものは上記装置とはいろいろ 違うところがございます。なので、このページをご覧になった発明者の方々、 「特許侵害だ!」と文句をいわないでくださいね。 展示者の方の許可をいただいて撮影しました

電気柵の周辺

電気柵は蜂舎に取り付けます。

「蜂舎」の中に巣箱楽天 をおき、壁に出入り口を設けてあります。蜂舎で飼う目的は、 電気柵と同じ「省力化」です。土日しか世話の出来ない私には、特に春の週末の雨は致命的です。

蜂舎の写真

蜂舎内で飼えば、雨でも内検や採蜜が可能です。また、道具を巣箱の近くに置いたままにできたり、 台風で巣箱が倒れたり、風や日差しに悩まされる、ということもありません。

また、電気柵の電気回路部を収納できたり、柵の取りまわしが楽、といった利点があります。

当然、定置養蜂です。「花を追って移動」なんて週末養蜂家にはまったく無理。

蜂舎

電気柵の電気的な構造

 簡単に言うと、イノシシ用電気柵の改造です。模式図で書くとこんな感じ。

電気柵の部品構成

「高電圧発生器」は市販のイノシシ電気柵用のものを使用しています。最初は自作しましたが、 1週間で故障し、スズメバチに襲われて大被害が出たので、信頼性の高い市販品を使っています。 バッテリーは車用のもの。バッテリーは1月くらい持ちますので、太陽電池と充電回路は、 しいて必要ではありませんが、私の場合取り付けてあり、ノーメンテナンスで運転できるよう になっています。「整流回路」は自作のもので、対スズメバチ用に追加したものです。

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高電圧発生器から出てくる電圧をグラフにすると、グラフAのようになります。 イノシシは電圧は間欠的に、そして互い違いの方向に出ていることが判ります。 イノシシは大きいので、柵に触れている時間が長く、間欠的でも感電しますが、 大スズメバチは体が小さいので、一瞬で電線から離れてしまい、感電しない可能性があります。

整流回路

そこで、常に柵に電圧がかかるように、整流回路を入れる必要が出てきます。 右が整流回路の図です。ブリッジダイオードとコンデンサでできています。 コンデンサーがない場合、電圧はグラフBのようになります。電圧の方向が1方向に変わります。 コンデンサは電気をためる部品です。グラフCがコンデンサをつけた状態の電圧変化です。 常に常に柵に電圧がかかるようになりましたね。

整流回路の写真整流回路

電気柵の電圧グラフ

電気柵の機械的な構造

 太陽電池楽天 は蜂舎の壁に取り付けてあります。バッテリー、他の装置は蜂舎内に置いてあります。  バッテリーは蜂舎電気柵以外にも夜間作業をするための電灯用にも使います。 

電気柵の電線の張りかた

電気柵は壁の外側に樹脂製の支柱を使って張ってあります。

 樹脂はテスターで抵抗を測ったところ、∞でした。

電気柵の断面

断面を模式的に書くとこんな感じになります。柵線の間隔は30mmくらいで十分です。 また、+と-を交互に配線する必要もありません。+-同時に触れることで感電するよう に思われますが、実際には、片方に触れただけで嫌がって逃げてゆきます。

「なぜ片方の電極だけで効果があるのか?」は現在のところ、よくわかりません。

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やってみたらそうだったのです。「ともかく実行してみる」ということは尊いと思います。 そこから思いがけない発見が生まれるものです。

 この点が、先に紹介した特許と決定的に違う点です。  違うので私も特許申請しようかと考えましたが、どうせ儲からないのでやめました。

感電したスズメバチ

大スズメバチは感電しても死にませんが、+-で感電すると硬直して動けなくなってしまい、 そのまま死んでしまう場合があります。こうなるとスズメバチの体を通じて漏電がおき、 効果が減ってしまいます。注意が必要です。

最終更新日: 2021-11-17 05:02:16

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Author: Tomoyuki Ito

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