好光性と嫌光性の種子
野菜や花の種を蒔くときに気を付かなければならないことの一つに、土のかぶせ方があります。
種子には好光性のものと嫌光性のものがあります。好光性の種子は薄く土をかぶせ、真っ暗にならないように気を付けます。
好光性の種子は光がないと発芽してくれません。逆に嫌光性の種子は明るいところでは発芽しません。
なぜ種子には光を好むものと嫌うものがあるのでしょうか?
種子はもともと好光性だった
本来は、種子は光が当たらなければ発芽しない性質のものなのだそうです。
土に深く埋もれた状態で発芽した場合、すぐに地上に芽を出せれば問題ありませんが、深く埋もれていれば葉を光に当てることができずに枯れてしまいます。
なので、基本的には、種子は水と光(と温度)が揃わないと発芽しません。
ほうれん草の種
ほうれん草の芽
ではなぜ嫌光性の種子が存在するのでしょうか?
これは人による選抜が原因とされています。種まきをしてすぐに芽が出てくれる種子が都合がいいし、土に埋めた方が、水分の保持が容易です。
人が野生の植物を野菜化したとき、人に都合の良い性質のものだけが残ってゆき、その一つの性質が好光性の欠落だったのでしょう。
ニンジンはなぜ好光性が残っている野菜の一つです。なので、覆土すると芽を出してくれませんが、乾燥させてしまうとだめになってしまうので、初期管理の難しい野菜となっています。
好光性の種をうまく発芽させるコツ
ニンジンでよく行われているのが、種の上にもみ殻を被せることです。
何も被せなければ光は当たりますが、乾燥してしまいます。
土をかぶせると湿度は保たれても光が届きません。
もみ殻であれば、湿度を保ちつつ、光を与えることが出来ます。といっても乾燥するので、初期に灌水をこまめにするのがニンジンをうまく発芽させるコツになります。
種蒔きののちもみ殻を敷いた畝と、芽を出したニンジン
好光性/嫌光性種の一覧表
野菜の種と花の種の一覧表です。好光性は覆土を薄く、嫌光性は暑く覆土しましょう。
好光性 | 嫌光性 | |
野菜 | レタス、ミツバ、シソ、セロリ、ニンジン、シュンギク、バジル | ネギ、トマト、ナス、ピーマン、カボチャ、スイカ、トウガラシ、ニラ、ダイコン、ウリ |
花 | アゲラタム、ニコチアナ、エキザカム、ポピー、ペチュニア、バーベナ、ベロニカ、ユーストマ、ベゴニア | ナスタチウム、らーくすぱー、スイートピー、ルピナス、ネモフィラ、ジニア、ワスレナグサ、サルビア、ニゲラ |
最終更新日: 2019-03-27 09:13:08