牛の追憶
一昔前までは、日本の農家では牛を飼い、農作業の大切な労働力としてきました。
我が家でも30年くらい前までは牛を飼って田んぼを耕していたのですが、もういません。
牛のことが気になる
最近何気なく図書館で借りたこの、「牛の小百科」という本。
これを読んで牛が好きになりました。
農家に残る牛の記憶
そこで、我が家に残る牛の痕跡を探してみることにしました。
私の家は古い農家です。
まずは牛小屋。「小屋楽天 」といっても、独立した建物ではなく、納屋に付属した一角を牛のスペースにしていました。
入り口は前後二つ。小屋の中は2つに仕切られていて、広いほうで牛を飼い、狭いほうを飼育用の道具置き場に使っていたようです。
今は私の木工機械置き場となっています。
木製の柵がありますが、普段はこれを締めて戸は開けていたみたいです。
台所の牛神さま
台所の神棚には、いまでも牛神様が祭られています。ちょっと埃を被っていますが、時々拝んでいますよ。
牛が活躍していた頃は、一家を支える重要な労働力でしたから、牛に感謝する気持ちも強かったことでしょう。
牛神様の隣には、古い牛用の体温計が置かれています。
「これを肛門に突き刺して」体温を測るのだと聞いていましたが...これはどう見ても比重計ですね。いつの間に入れ替わったのでしょうか?
残された牛の角
唯一、牛がこの家にいたことの直接の証が、この角。なぜか牛小屋の中にあり、最近見つけました。
牛の角は鹿と違って生え変わらないのだそうです(上の本を読んで知った)。ということは、この角は何かの事故でとれてしまったのでしょうか。
鼻ぐり塚の思い出
そういえば10年以上も前。先代がまだ元気な頃に、鼻ぐり塚に連れて行ってくれと頼まれ、出かけた記憶があります。
鼻ぐり塚は、岡山県岡山市、吉備津神社の近くにあるものす。牛の鼻ぐり(鼻につける輪)を供養するところです。
鼻ぐりがうずたかく積まれていたことを今でもおぼえています。
昔、間違って牛に畳針を食べさせてしまい、死なせてしまったことがあるとのことで、その牛の供養のためにきたのでした。
先代に、「動物でなにが一番好き」と聞いたところ、「牛」と答えたのもおぼえています。
牛は年に数回不機嫌なときがあるが、それ以外はいたって温和な性格で良いのだそうです。牛、飼ってみたいなあ。
最終更新日: 2012-12-19 05:25:15