メンズベストの製図方法・作りかた
洋裁CADを使ってベスト(ジレー)の型紙を製図して縫製したので、型紙楽天 と縫いかたを掲載します。
以前も作ったのですが、古くなってよれよれになったので、型紙も含めて新しくしました。
こんな感じで全体的に和風な感じで着ています。
ベスト、ジレー、チョッキ、平たく言うとみんな同じ、袖のない服です。
チョッキは一番古い言葉で、和製英語。
ベストは英語。
ジレーは一番新しく使われている言葉で、フランス語。
古い言葉を使うより、新しい言葉を使った方が、新しいものに感じるのでしょうか。
もちろん、デザインは昔より変わっているのでしょうけれども。
デザインの特徴
普通だと面白くないのでパネルラインにしてみました。
男性用であんまり凸凹していないので、残念ながら、結果としてあまり立体的にはなりませんでした。
分割しなくてもいいくらいですが、まあ、デザインということで。
型紙データはPDFと洋裁CADのデータをダウンロードできるようにしておきました。洋裁CADのデータを使えば原型を差し替えて女性用に差し替えたり、細部を下の図のように(慣れれば)簡単にデザイン変更できます。
型紙のダウンロード
説明が長くなるので、ページを分けました。こちらからダウンロードされてください。
以下、この型紙を使うものとして作りかたを説明してゆきます。
ファイルはPDFと洋裁CAD用のktdファイルを同梱しています。洋裁CADのダウンロードは
こちら。
CADの習得には時間がかかるので、軽い気持ちでダウンロードしないことをお勧めします。。
必要な道具
ミシン、マチ針、リッパー、手縫い針、アイロンなど。
ミシン楽天 、アイロンは必須。その他、一般的に必要な裁縫道具があればOK。
必要な材料
布は厚めの張りのあるものがお薦め。私はコーデュロイを使いましたがそれもちょっと張りが足りないかなと思ったので、接着芯を貼りました。
裏布はすべすべしたものが良いですが、今回は普通にワゴンで売っているプリント柄の綿布を使いました。
所要量は下の裁ち合わせ図の通り。
表布と
接着芯
楽天 、青い枠は幅900mm×1500mmです。
裏布はは幅600mm×600mmが2枚です。
今回はボタンは付けませんでした。
所用時間
実際に作るのにかかった時間は以下の通り。3日ほどかけて作りました。
小さい物ですが意外と時間がかかりました。
パネルラインの形が複雑で初めてだったこと、接着芯をあとから貼ったこと、ひっくり返してから端を仮縫い、ミシン掛けすることに時間をとられました。
合計:約9時間
型紙の印刷とカット、貼り合わせ:60分
表布、接着芯の裁断:120分
裏布の裁断:70分
端ミシン:なし
後身頃パネルラインの接合:70分
前身頃パネルラインの接合:40分
前後身頃の接合:30分
裏布を接合してひっくり返す:40分
ひっくり返した端をミシン掛け:90分
肩の接合:20分
制作手順
実際の作りかたを写真で紹介してゆきます。
布の裁断
カッティングマットの上に布を置き、その上に型紙を置いて、布に線をつけてゆきます。
つけ終えたら印に沿ってロータリーカッターで布を切って裁断完了。
二枚を重ねてカットするものはマチ針で動かぬように固定してから切りました。
当初接着芯は貼るつもりがなかったのですが、切ってみてから「なんだか頼りないなぁ」と感じたので、急遽接着芯を貼りつけました。
ちょっと大きめに裁断してから表布に貼りつけ。その後に表布に合わせて再度裁断しました。
端ミシン
表側通しを向き合わせにして表裏布を縫い合わせ、その後ひっくり返すことにしたので、端ミシンは不要です。
身頃の接合
普通に身頃にダーツを入れれば、後身頃1枚、前身頃2枚で済むのですが、パネルラインで分割してしまったので後3枚、前4枚と倍増。
手間がかかりました。しかも、男性用なので体にあまり凸凹がないため、苦労した割には平面的でちょっとガッカリ。
身頃の接合
前後の身頃の脇を縫い合わせます。これで肩の部分をつなげれば良いのですが、今回は裏布をつけてひっくり返すので、肩の部分は残しておきます。
裏布の裁断
表と同じように作ってリバーシブルにするという手もありますが、今回は普通に裏布。
手間を省くために1枚にしました。
写真では半分に見えますが、真ん中で折って切っています。
表と裏の布、双方の表側を向い合せにして仮縫い、ミシン掛け。
こんな感じになりました。
裏返す
肩の部分の縫い残しを通して、全体を裏返しにします。返したら端をきれいに整えて仮縫い。
この仮縫いにも時間かかりました。仮縫いが済んだらミシンで端をきれいに縫います。
肩の接合
最後に残った両肩を接合。正確に作ってあればピッタリ合います。
端はロータリーカッター楽天 で切りそろえてから、端ミシンをかけました。
ベストの完成
これで完成です。
身頃の数が多いので、普通のベストを作るよりも手間がかかってしまいましたね。
写真ではわかりにくいですが、パネルラインが個性を出しています。
最終更新日: 2019-04-24 07:33:16