シクラメンの栽培、手入れ、増やしかた
シクラメンの栽培、増やし方、手入れのしかたです。
シクラメンは地中海沿岸原産のサクラソウ科の植物です。古くは「豚のパン」を意味するなで呼ばれていましたが、リンネがシクラメンと命名しています。日本の和名はブタノマンジュウ、カガリビバナと付けられましたが、結局シクラメンで通用しています。
パンとか、饅頭というのは、球根がこれらに似ているためなのでしょう。
シクラメンは古くから薬草として利用されていましたが、18世紀頃から品種改良が始められました。
現在の日本では冬の鉢花、シクラメン、ポインセチアにと並び、冬の贈答品として人気の花となっています。
シクラメンの花言葉は「猜疑」や「嫉妬」なので、ヨーロッパでは結婚式やお祝いの席では嫌われるそうです。
シクラメンの香り
原種のシクラメンには香りがありますが、園芸品種にはありませんでした。
ところが、1975年にシクラメンのかおりという曲が流行したため、芳香のある園芸品種の開発がなされました。
現在では香りのあるシクラメンも販売されています。
入手方法
シクラメンは12月頃に大量に出回りますので、このとき購入します。
管理
管理は少し難しい鉢花の一つですが、次のようなことに注意すると上手く栽培できます。
一般的には室内で観賞します。南面の日当たりのよい場所であれば問題なく育ちます。日当たりが悪いと、葉が間伸びし始め、花数が減り、草姿も乱れてしまいます。
出窓などの窓辺がよく、ガラス越しの日に当てるようにします。日差しが強い時にはレースのカーテン越しに日が当たるようにします。
冬の室内は、温度や湿度の面でやや生育しにくい環境です。
低温に遭わせないために、暖房がきいた室内に置くことが多いですが、夜間に暖房を止めると昼夜の温度差が激しくなることに加えて、暖房による乾燥が重なり、株が弱ってしまいがちです。
夜温は5C程度あれば十分ですので、できれば暖房の効いていない部屋で日の当たる場所に置いたほうが無難です。
水のやりすぎに注意
水をやりすぎると株が痛みやすくなります。水やりの日安は、土の表面が完全に乾く前。少しずつではなく、たっぷりやるようにします。
水やりは、花や葉 にかけないように株元に注ぐのがポイントです。花に直接かけるとシミになって痛む原因となります。
鉢によっては、鉢底からの白い布で吸水(底面吸水)させるようになっている鉢があります。
この場合、鉢底の受け皿の水がなくなる前に水を継ぎ足してしてやるよう心がけてくだ さい。
乾燥防止のために葉水を
暖房によって室内が乾燥しやすくなるので、こまめに葉水(霧吹きで葉を湿らす)を行います。
開花期に肥料を与えるとよい花が咲きます
開花期間が長いので、開花中に追肥をします。月に2,3回、薄めの液肥を与えます。
花がら摘みで花を長持ちさせる
終わった花は摘み取ります。放置すると種ができ、そのために栄養を使います。摘んでおけば株が弱りません。
水やりを忘れた時の応急処置
水やりを忘れてしまい、ぐったりしてしまった。
こんな時は株を新聞紙で覆い、鉢の高さ半分ほどに水を張ったバケツの中に鉢ごと半日ほどつけます。
手遅れでなければ再び元気を取り戻します。
夏の管理
シクラメンの夏越しには栽培継続と休眠させる方法があります。
栽培継続する場合、水遣りと肥料を与え続け、6月以降は半日陰の涼しい場所で管理します。雨があたらないように気をつけます。
休眠させる場合、花が終わった頃に水遣りを中止します。葉が枯れたら取り除き、そのまま涼しい場所において夏越しします。
植え替え
夏越し後、9月に植え替えをします。頻度は2年に1回くらいです。栽培を継続したものは、1回り大きな鉢に植え替えます。休眠した株は球根を取り出して植え替えます。球根は1/3くらい土から出るようにして植えます。
下の図のように植えましょう。
病害虫
灰色カビ病、ダニなどが付きます。病気にならないよう、水のやりすぎ、葉に水をかけないように気をつけます。
最終更新日: 2019-11-07 09:26:50