土壁を自分で修復する
傷みの激しい土壁の補修をしました。簡易的な補修のしかたを書いています。
台風の横殴りの風雨を受けて、泥が剥離してしまいました。
屋根の瓦も泥を盛って置いただけのものなので、何枚か落ちてしまっています。相当な風が吹いたようです。
土壁の内部構造
壊れた土壁を見ると、土壁の構造が見えてきます。
3尺間隔で柱を立て、間に横木を渡しています。丸竹を立てに並べて横木に結び、さらに割竹を横に並べて丸竹に結んでいます。
ここへ両側から泥を塗って、土壁にしています。
ふつうはこの土の上に漆喰などを塗って防水性を持たせているのですが、この壁は納屋なのでそこまで手を入れなかったようです。
土が剥離しただけで、骨組み構造が壊れていなければ、落ちた泥を塗りなおすだけで修理することができます。
土壁の簡単な補修方法
上の写真は損傷の激しい我が家の土壁です。むき出しの土壁なので、台風などの激しい横なぐりの雨にあうと、痛んでしまいます。
しかし、修理するのも、そんなに難しいことではありません。
落ちた土を集め、水とを短く切った稲藁入れ、よく練ります。
これを剥離した壁に塗ってゆきますが、塗る前に水で壁をぬらしておくと、新しい土がよくなじみます。
土は塗るというより押し付けてくっつけるという感じ。コテを準備しましたが、結局手だけで作業できました。
手が荒れるので、必ずゴム手袋をつけて作業しましょう。
使っている土は、普通の土ではなく、粘り気の出るようなものを混ぜているのではないかと思います。
最近、庄屋だった家の見学に行ったことがあるのですが、そこではタバコの葉を壁の中に貼り付けていました。防虫効果を狙ったものだそうです。
土に藁を混ぜるのは、藁の繊維で土をつなぎ合わせるのが目的ですが、もしかしたら藁に含まれる納豆菌が粘りを出しているのかもしれません。想像ですが...
補修の終わった土壁と土壁の保護
乾くと、きれいになってくれました。違う土を塗りつけていたら、色が変わって、それも面白かったかもしれませんね。
土壁をむき出しにしておくと、また台風がきて剥離してしまうので、上から板をかぶせることにしました。
工務店に見積もりを出したところ、これだけの面積で20万円くらいかかるとのことでした。
しかも無粋な鉄板を張るということだったので、自分で杉板を張ることにしました。焼く作業も自分で行って2万円で完成しました。
鉄板では通気性がなくて湿気がこもるし、木の板より耐久性が劣ると思います。
地震に強い土壁
土壁のしっかり入った家は地震に強いのだそうです。土壁全体が粘り強く衝撃を吸収するためだそうですが、
その代わり、地震に遭うと土壁は崩れてしまいます。崩れることで、家全体を守っているのでしょう。
土壁はこまめに補修しておくことが、地震への備えにもなると思います。
最終更新日: 2019-10-29 11:08:34