自分の体温で発電ができるか実験してみた
人間の体温で発電が出来ないか、実験してみました。
温度差発電というものです。
大昔、ソ連の原子炉を搭載した人工衛星が軌道を外れてカナダに落下し、大騒ぎになったことがありましたが、この原子炉衛星が温度差発電をしていたと記憶しています。
名前の通り、温度の差を利用して発電するものです。衛星に採用されたのは、きっと構造が単純で軽くできるためなのでしょう。
体温発電をするための装置
ペルチェ素子というものを使います。
本来は電気→温度差に変換するための素子です。電圧をかけると素子の一方の側が冷えて反対側が熱くなります。不思議ですね。
車載の冷蔵庫などに使われるそうです(エネルギー効率が悪いので、普通の冷蔵庫には使われていない)。
この素子は温度差→電気という逆の変換も出来ます。
片方を冷やすか暖めれば、つまり両側の面に温度差を作ってあげれば発電してくれます。単純ですね。
体温発電の実験
では実際に発電してみましょう。
ペルチェ素子を、肌に当てる。ただそれだけ。
テスターで確認してみると...0V→0.15Vに上昇!確かに発電しています。
ちなみに室温は28度なので、温度差は8度くらいです。
体温発電の応用
発電した電気で何かを動かそうと考えると、動かせるものはほとんどありません。
微弱な電気なので、消費電力の少ないものでなければいけませんね。それから、夏と冬では発電量に大きな差が出ます(温度差が変わるから)。
真夏の体温並みの暑さでは温度差がなくなってしまうでしょう。
で、こんな条件で使えるものといったら...腕時計。
これしかありません。普段から肌につけているし、消費電力も少ないしで、体温発電にぴったりですね。
体温で発電する腕時計
調べてみると、実際シチズンからこの発電方式による腕時計が発売されていました。
調べてみると、現在は販売されていないようです、残念。
シチズン、エコドライブサーモ
人肌でなくても太陽光か腕を振る力で発電した方がよいのでしょうか?
ストーブの熱で温度差発電サーキュレーター
我が家には薪ストーブがあって、その上に小さなサーキュレーターが載っています。
電源コードも電池もないのですが、薪楽天 に火をつけてストーブが温まると勝手に回り始めます。
本体と上部の放熱フィンの間にペルチェ素子が挟まっていて、下部はストーブで温められ、上部は放熱で冷やされるために温度差ができ、これで発電した電気をモーターに送る仕組みになっています。
一件素晴らしいアイデアに見えますが、実際には室内の空気をかき回すほどの力はなく、手をかざしてみても風を感じない程度の風しか起こせません。
なんとも残念ですが、インテリアとしては役立っています。
最終更新日: 2018-12-10 08:25:45