鉱石ラジオで発電してみる
鉱石ラジオは電源がなくても聞くことが出来ます。
音は電波のエネルギーそのもの、放送局が出しているエネルギーをそのまま使って音を出しているのです。
電波にイヤホンを鳴らすほどのエネルギーがあるのなら、発電も出来るのではないかと考えてみました。
ゲルマニウムラジオの原理
まずは鉱石ラジオ楽天 の原理を考えてみましょう。
下の図は単にアンテナを立てたもの。電線の一端を地面に埋め、もう一端を空中に伸ばした状態です。
この電線には電波の影響で電圧がかかります。
いろんな放送局からの電波が来るので、電圧はこれらの合計になります。
この電線にイヤホンを入れてみましょう。これだけではイヤホンから音は聞こえてきません。
+と-が打ち消しあってしまうからです。
ダイオードを間に入れてみましょう。ダイオードは電気を一方通行にします。
ダイオードの発明されていなかった頃は鉱石(黄鉄鉱)が使われていました。
こうすればイヤホンから音声が聞こえてきます。但し、いろんな放送局からの音声が混線してしまっています。
では目的の周波数の電波だけ選ぶことにしましょう。
コイルとコンデンサを組み合わせた同調回路を並列に組み込みます。
この同調回路は特定の周波数を通さない性質があります。
聞きたい放送局の周波数とこの通さない周波数を合わせます。
すると、いらない周波数はこの回路を通って逃げ、欲しい周波数だけが通れずにイヤホンの方に
回ってきます。
これで鉱石ラジオの出来上がりです。
鉱石ラジオ発電の回路
では発電向けの回路を考えてみましょう。
イヤホンを単純に充電池に差し替えれば出来上がりです。
しかし、これではあまり効率がよくありません。
原点に戻ってみましょう。
充電池とダイオードだけの単純な回路の方がたくさん電気を集められそうです。
マイナス側の捨てている電気も拾いましょう。
ダイオードをブリッジにすれば効率は倍になります
(但しダイオードによる損失も増えてしまいます)。
鉱石ラジオ発電の利用方法
もともと放送局の発した電波を電気にするだけで、自然エネルギーを利用しているわけではありません。
ですので、この発電方式はエコとは呼べません。
太陽とか、電波を発しているのでこの電波を利用すれば別ですが。
太陽を利用するなら素直に太陽光を利用した方がよさそうです。
いずれにせよ、発電できるのは微弱な量なので、利用出来る範囲はほんの限られていると思います。
鉱石ラジオの電源としての利用
では鉱石ラジオの電源にすればどうかと思いつきました。
鉱石ラジオはイヤホンでしか聞けませんが、鉱石ラジオで発電した
電気でスピーカーを鳴らせば、大きな音になるはず(たいした大きさにはなりませんが)です。
調べてみると、すでに思いついている人がいました。
この人は捨てている電圧を利用してスピーカーを鳴らしていますが、アンテナを2本立てて一方を発電専用にしたら、
もう少し大きな音で鳴らせそうですね。
無電源でスピーカーを鳴らすゲルマニウムラジオの製作
鉱石発電ラジオの用途
自己発電で鳴ってくれるし、単純な構造なので、24時間鳴らしっぱなしに出来そうです。放送局が
電波を流し続ける限り動いてくれそうですね。
部屋で鳴らしっぱなしにしてもいいでしょうけれども、
災害時の非常用ラジオとして公民館などに設置しておくのもよさそうです。停電になっても
充電の必要なく、放送局が電波を出しさえすれば鳴り続けてくれます。
最終更新日: 2018-08-29 05:09:10