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男性用ズボンを作りました

自分用のズボン(メンズパンツ)の自作に挑戦しました。型紙からの自作です。
洋裁歴5年ほどですが、普通のパンツを作るのは初めてです。
なぜかというと...「買える物を自分で作る必要は無い」、「男性用の型紙楽天 の製図方法がわからない」という2つの理由からです。

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最近、メンズパンツ楽天 (男性用ズボン)の型紙製図方法を解説した本を入手したので、作ってみることにしました。
とりあえずはごく普通のパンツを作って、その後、自分のデザインを入れてゆこうと思っています。


メンズパンツの型紙を作る

まずは自分に合った型紙を作る必要があります。
この本で解説されている方法に忠実にしたがって製図してみました。

「服飾造形講座〈9〉メンズウェア1」文化服飾学院編です。
中身は、体型・シャツ・パンツ、の三部構成になっていて、製図のしかたが詳しく書かれています。
とても良い本だと思います。
シャツの原型のほか、パンツでは、ノータックパンツ、ワンタックパンツ、ツータックパンツ、ジーンズ、ワークパンツ の型紙の製図方法が解説されています。

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まずはジーンズの型紙、続いてノータックパンツの型紙を作ってみました。

ジーンズの型紙


ジーンズの型紙 前身頃と後身頃が一体になっています。直線も多いですね。
元々ジーンズは仕事着なので、工数の削減や一枚の布からたくさんの製品を取り出しを行って、 安く作る努力をしてきました。その名残がこの型紙に出ているのでしょう。

ノータックパンツの型紙


ノータックパンツの型紙 前身頃と後身頃が別になっています。安さよりも、デザインを重視しているためでしょうね。


パンツとジーンズ型紙の比較

2つを重ねてみるとこんな感じ。
ノータックパンツとジーンズ型紙の差異 赤がジーンズ、青がノータックパンツです。
ジーンズの型紙のほうが直線を多用しているのがよくわかりますね。

今回は、ノータックパンツを作ることにしました。
タックがあるとゆったりして履きやすいのですが、最近ダイエットに成功して、5Kgほど痩せたので、 スリムなノータックパンツを履きたくなったのです。
今後太らないように、細めのパンツを作っておいて戒めにする目的もあります。


ノータックパンツ型紙プリント用 最終的に作ったのがこの図。1cmの縫い代を追加して、印刷の目印になるよう、2点差線で 枠をつけました。
1つの枠はA3用なので、A3用紙8枚を繋げる、大きな型紙になりました。


メンズパンツの仮型紙と試作

最初に書いたとおり、パンツの自作は初めてなので、仮縫い用の布を使って試作してみることにしました。
仮縫い用の布は、綿の生成りシーチングで、日暮里の繊維街で買ってきました。
1m160円くらい。繊維街では1m100円の布も容易に手に入りますが、この生成り品の方がしっかりしているので こちらを使っています。但し、この布は「あくまでも仮縫い用で、服用じゃない」のだそうです。
洗うとものすごく縮みますが個人的には風合いが好みなので、試作用のほかに夏の寝間着を作る素材に愛用しています。

ノータックパンツの型紙メンズ 仮縫い用の生地


出来上がった仮縫い品を履いて見ると...驚くほど体にぴったりしていました。 仮の型紙を作って、修正してから本型紙を作ろうと思っていたのですが、このままこの型紙を使うことにしました。
仮縫いのズボン


パンツの作りかた、手順

本番用の布地を、型紙に沿ってカットします。本番用の 布地 楽天 は越後のナントカ織(忘れた)で、 1mあたり1500円ほどで購入したものです。
仮縫い用の布も、10倍の値段の布の露払いなら、 納得して成仏してくれるでしょう(その後小さく切って雑巾になってもらいました)。

生地のカット

まずは前身頃、後ろ身頃、持ち出しの部分、ベルト部分を切り出します。
裁断中のメンズパンツ もちだし ベルト布


初めてなのでごくシンプルにしました。ポケットもベルトを通す紐もありません。 ピッタリに作ればベルトなど不要ですし、 ポケット代わりにウェストポーチを使えば不便ではありません。

持出しの縫いつけ

もちだし(あきの部分に縫い付ける重ねた部分のこと)は、ごくシンプルにしました。
120×170、80×170の四角い布に接着芯を貼り、半分に折ったものです。
これを下の図のような断面構成で縫いました。赤は縫い糸です。
持ち出しの断面図

もちだしを縫い終えたら、股間を縫い、左右の前身頃をつなげ、余分なチャックを切り取ります。
ズボンのもちだし ズボンの股間の縫い方

股間部分ともちだし部分の間は直接縫えないので、下のようにL型に縫い継いでいます。
縫い継ぎ


前後身頃の縫いつけ

もちだしができたら、後は難しいところはありません。
後身頃の股間を縫って左右をつなげます。
股間の部分は写真のように3重に縫っています。試作したズボンで試しに股を開いてみたところ、 糸が切れてしまったため、本縫いでは強い縫い方にしました。
後ろ身頃接合 股間の3重縫い


前後の身頃を縫い合わせます。裏側を表にして重ね合わせ、縫います。外側の脇を最初に縫い、 次に内股を縫うと作業しやすいです。
製作中のパンツ


上から縫ってゆき、誤差を裾に出すようにしました。外側の脇はピッタリ縫えましたが、 内側はずれてしまいました。


ベルト布付け、ダーツ追加、裾あげ

ここまで出来たら試着してみます。
後ろ身頃にダーツを入れてからベルト布を縫い付けます。ベルト布にはあらかじめ 接着芯 楽天 を 入れてあります。
もう一度試着して、裾を縫います。
ベルト布付け、ダーツ追加 裾あげ


ボタンの縫いつけ

普通はフックとかでとめますが、ボタンをつけることにしました。 1つじゃ物足りないので2つ付けます。
これでパンツが出来上がりました。
パンツのボタン 完成したパンツ


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完成した自作メンズパンツ

完成しました。
意外と簡単に出来てしかもピッタリの出来なので驚いています。 ベルトも不要です。
ピッタリというと締め付けられる印象がありますが、締め付け感もありません。
皮膚のちょっと外側に布が沿っていてくれている感じでとても履き心地が良いです。
しかし...外見上はごく普通ですね。次に作る際は独自のデザインを入れてゆきたいと 思っています。
自作のメンズパンツ


型紙のダウンロード

このページで作成した型紙をダウンロードできるようにしました。
こちら のページでダウンロードできます。

最終更新日: 2019-06-10 07:59:54

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Author: Tomoyuki Ito

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