「吉田式巣箱」の製作:巣箱編
以前設計した100年前の日本ミツバチの巣箱「吉田式巣箱」を
作ります。今回は巣箱楽天 編です。
実際の作業にかかる前に十分に設計楽天 をしておきます。
私は図面と材料になる木材の木取り図の2つを、いつも作っています。
このほかに、手順書も作っておくとよいでしょう。最近は私は作っていませんが、
切る順番を間違えると、余分な手間がかかったり、最作り直しになったりしてしまいます。
作るときは何にも考えず、「ただ作業するだけ」になることが理想です。
吉田式日本ミツバチ巣箱の図面
吉田式日本ミツバチ楽天 巣箱木取り図
巣箱の工作手順
①木材の購入
木取り図のとおり、1×8材(幅235厚み19長さ1820)を二枚、
1×4材(幅89厚み19長さ1820)を一枚、買ってきました。
価格は1×8が1000円、1×4材が300円ほどでした。
材料は材木屋さんで挽いてもらうことも考えましたが、量が少ないのと
以前挽いてもらったら寸法があんまりよくなかったのと(90mmとお願いしたのに95mmでできてきた)、
未乾燥材のため後から反ることを考えて、SPF材にしました。
もちろん、100年前にはSPF材はありません。また、原書には「松材は避けたほうが良い」とあり、
SPF材は松系なので避けるべき材になってしまいます。
まあ、試作だし、以前からSPFで巣箱を作ってきた実績があるので良しとしました。
②材料のカット
長さ1820mmの木材楽天 を木取り図通りにカットします。
テーブルソーに自作の冶具を載せて切ります。丸のこを使う場合は、定規を使うなどして直角に
切ります。ここで切り口が曲がったりすると完成時ゆがみが出てしまいます。
正確に切りましょう。
ホームセンターによってはカットしてくれるところがあるので、
木取り図を持っていって切ってもらうのが一番簡単で正確にできるでしょう。
今回はカットサービスのないホームセンターで買ったので自分で切りました。
③ビスケットジョイント溝を彫る
切った木材を並べて幅広の板を作ります。巣箱の深さが379ミリもあるので、幅235mmを2枚つなぎます。
ビスケットジョイントとは板の溝にビスケット状の圧縮した木材を入れてつなぐ繋ぎ方で、アメリカが
発祥のようです。
日本人には気に入らない方法ですが、簡便なので技術のない私はこの方法でつなぎます。
専用のビスケットジョイントカッターもありますが、私はトリトンのルーターテーブルの
オプションとして購入したものを使っています。
ルーターに扁平な歯を取り付け...
その上に冶具を載せます。
冶具を押すと、歯の先端部分がちょこっと出てきます。
これで木材をカットすると...こんな感じで溝が彫れます。
あ、忘れてましたが、電動工具を使うときは必ず防具を使いましょう。とっても危険ですから。
④ビスケットジョイント接合
ビスケットジョイントを溝に入れて接合します。
ビスケットは下の画のように、溝の断面形状に合わせた形になってます。なので、カッターに
あわせた専用のビスケットを使う必要があります。私はトリトン製を使っているので、トリトンの
ビスケットを使います。
ビスケットは厚み方向に圧縮されています。これに木工ボンドを塗って溝にはめ込むと、
ビスケットがボンドの水分を吸って元に戻り、がっちりと溝に噛み込む仕組みです。
接合した木材は、すかさずハタガネで固定し、乾くまでしばらく待ちます。
乾いたら、接合完了!一晩おきました。
⑤板幅の調整
接合した板を巣箱の高さにカットします。
テーブルソー
楽天 でカットします。うん、ピッタリの寸法で切れました。
このあたりはテーブルソーの得意な切り方ですね。
⑥ビスケットジョイント溝を彫る
再びビスケットジョイントの溝を彫ります。今度は箱の四隅の位置に切ります。
⑦板幅の調整
今度はテーブルソーに戻り、4枚中、2枚の幅をもう15mmカットします。
カットした部分は、巣枠の耳を掛ける箇所になります。
最初に規定の幅にカットしてもよいのですが、そうすると、ビスケットジョイントの溝
位置調整が難しくなるので、あえて行程を増やしました。
⑧巣門の作成
日本ミツバチの出入り口を切ります。
ルーターの歯を付け替えて...90×10mm位の溝を彫ります。
できました!
原書では巣門にL型の木を取り付け、そこへ巣門サイズを調整する板を入れる
用になっていますが、今回はつけない予定です。
⑨下穴明け
コーススレッド(ねじ)を入れるための下穴をボール盤で開けます。
100年前は、もちろん釘止めだったでしょうが、そこまで再現する必要はないですよね。
⑩箱の組み立て
ビスケットジョイントを溝に入れ、箱を組み立てます。
組んだらすかさず
ハタガネ
楽天 で固定し、対角線を測ってゆがんでいないか確認します。
危険な電動工具の使用が終わってほっとした雰囲気を察したのか、猫たちが寄ってきました。
ちなみに台にしている箱は「ミツバチ科学」に登場した「引き出し式巣箱」です。既に廃箱ですが。
⑪ねじ止め
組み終わったら、木工ボンドが乾かないうちにコーススレッドを打ち込みます。
下の画のように、板材の幅方向の継ぎ目を互い違いにしてあります。ここへコーススレッドを
打ち込めば、上下の接合がより強固になります。
最後に側材を取り付けて完成でしたが...あれれ?電動ドライバーが言うことを聞かない。
どうやら壊れてしまったようです。最後の仕上げができませんでしたが、一応は完成。
巣箱製作費用と工作時間
今回の作成物:吉田式巣箱、巣箱部分
費用:木材代2300円
作業時間:約4時間(準備、片付け含む)。設計、乾燥時間は含まない。
今回はこのページをごらんになった方が同じように作れるように詳しく書いてみました。
続編は以下です。
吉田式巣箱
最終更新日: 2018-04-23 05:02:50