無料の3D-CADを使ってみました
無料でダウンロード、使用できる3D-CAD「Creo Elements/Direct Modeling Personal Edition 3.0」
を試してみました 。Personal Editionとは、無料の簡易版のことです。製品版もありますが、
簡易版でも業務などに使って問題ありません。
名称は「OneSpaceDesigner」→「CoCreate Modeling」と変更されており、今の名前になっていますが、
ソフトウエアとしてはバージョンアップをしているだけです。
Creo Elements/Direct Modeling 無料版の製品版との違い
・部品点数は60まで
・複雑な形状の作成
・板金(薄い板)作成機能なし
・断面内でのモデルの直接修正ができない
といった違いがあります。
しかし、私のように個人的に趣味で使いたいという人には問題のないレベルでしょう。
Creo Elements/Direct ModelingというCADの特徴
「履歴がない」のがこの3D-CADの特徴です。
「履歴」というのは3D-CADを使った人でなければ理解しづらい概念です。
簡単に言うと、1つのモデルを積み木を積み上げて作ってゆくようなものです。
モデルを変更したい場合は、いくつか組み合わされた積み木をいったん取り出して、大きさを変え、
再び元の場所に戻します。
一つの積み木を変えれば良いので、変更が簡単なのですが、変更の中身によっては積み上げた積み木
全体が崩れてしまう場合があります。
履歴のある3D-CADを使う場合は、設計者は、積み木の積み上げ方を常に考えて、
崩れにくい構造を作ります。
「Creo Elements/Direct Modelingは積み木の配置を考える必要がない」
というのが売り、ということですね。
履歴があるCADは積み木の集合体のモデルを作るのに対し、このCADで作った3Dモデルは、
いくら複雑に作っても、1つの塊になってしまいます。
しかし、残念ながら、こうした設計楽天 思想は多くのエンジニアからは評価されていないのが実情です。
Creo Elements/Direct Modelingを使った感想
「2次元CAD的」です。
3D-CADの3Dモデルの基本的な作りかたは、「断面を書き、断面に厚みをつける」です。
履歴があるCADなら、修正するときに以前書いた断面を呼び出して変更するか
厚みを変更すればよいのですが、
このCADは変更するたびに断面図を書き直さなければなりません。
履歴がない、ということは3D-CADの敷居を下げて、初心者でも使いやすいという利点を作ると思います。
しかし、仕事で使いこなすとなると、逆に効率が下がるのではないかなと思います。
実際このCAD、ほとんど普及していないようですし。
個人で使用するにはとてもよい3D-CADだと思います。なにしろ「無料」ですから。
3次元CAD「Creo Elements/Direct Modeling Personal Edition 3.0」ダウンロードページ
こちら
のページから入って、ダウンロードできます。ダウンロード前にアカウントを作成する必要があります。
最終更新日: 2011-08-18 05:44:18