巣枠の寸法、図面、作りかた
養蜂に使うラングストロース式巣枠を自作するための図面と作りかたの手順を紹介します。
巣枠とは、ミツバチの養蜂箱に入れる枠です。木で出来ていて、内側に蜜蝋で出来た板を嵌めこみます。これにミツバチが6角形の巣を盛り上げてゆきます。巣礎、巣脾とも呼ばれます。
自作に必要な図面楽天 と部材表を書きました。
自分用に作った図面なのでちょっとわかりにくいかもしれませんが、参考になればと思いUPしておきました。
日本製の養蜂箱のサイズに適合するサイズになっています。巣枠の周りには適切な隙間(広すぎても狭すぎてもダメ)が必要ですので、箱も自作する場合は、箱の内寸にも気を付ける必要があります。
ラングストロース式巣枠、全体図と部品図
下の図がラングストロース式巣枠の全体図と部品図です。
ラングストロース式巣枠、各部品の工作手順
以下にそれぞれの部品の工作手順をまとめました。
上桟の作りかた
上桟は巣枠の上の部分にあたるものです。
両端で巣箱にぶら下がり、中央の溝に巣礎をはめ込み、巣板を支える機能があります。
下の表では大き目の角材を削って希望のサイズに調整しています。角材の縦挽きと溝入れはテーブルソーを使って行います。
A上桟 |
1 1寸角の角材を用意(1*2寸でもOK) |
2 480mmの長さにカット |
3 21*26mmに縦挽きする |
4 両端をカット 30*12.5 |
5 溝 幅3mm深さ8mmを入れる |
縦枠の作りかた
縦枠は板材を細く切って作ります。等間隔に空ける穴は、錫めっき針金を通すためのものです。
B 縦枠 |
1 12*180の杉板を用意 |
2 長さ226にカット |
3 幅26にカット |
4 φ2穴を3箇所あける |
下枠の作りかた
これも12mmの板材を細長く切ったものです。いずれの部品も
テーブルソー
楽天 を用いて加工します。
C 下枠 |
1 12*180板を用意 |
2 長さ420にカット |
3 幅16mmにカット |
組み立ての終わったラングストロース式巣枠
同じものをたくさん作って釘で留めます。たくさんできましたね。
(この写真はクリックすると大きくなります)
ラングストロース式巣枠仕上げ作業
組みあがった木材構造に針金を張り、金具を取り付け、蜜蝋でできた巣礎を貼れば巣枠の完成です。
ミツバチ巣枠に針金を張る
縦枠に開けた穴に針金を通します。この針金は、蝋製の巣礎を支えるためのものです。
①まず、針金の穴にハトメを押し込みます。この作業にはハトメ押し込み棒を使います。
(この写真はクリックすると大きくなります)
②針金を適当な大きさに切り(私の場合、両手を広げた長さがピッタリ必要量になります)、端を固定します。
(この写真はクリックすると大きくなります)
③あとは針金を順に通してゆき、ピンと張って、端を結べば出来上がりです。作業中に針金の先端で目を突付かないように気を付けましょう。
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ミツバチ巣枠に自距金具を取り付け
こんな専用の自距金具を釘で止めます。これは巣板どうしの距離を維持するためのものです。
自距金具は養蜂道具を扱っているお店で購入しましょう。
(この写真はクリックすると大きくなります)
巣礎貼り
巣礎と呼ばれる蝋製の板を上桟の溝に入れて取り付け、埋線器を使って針金を埋め込みます。
埋線器は、針金を蝋に埋め込むための道具です。電気で発熱するものと、カセットコンロなどで加熱して使うものがあります。
埋線器を針金の上で転がすと、熱が針金に伝わり、蝋が溶けて針金が巣礎に入って行きます。
埋線器をうまく使いこなすまでは、コツをつかむ必要があります。
全部埋め込んだら完成です。
(この写真はクリックすると大きくなります)
養蜂用ラングストロース式巣枠、自作のための部材表
一つの巣枠を作るために必要な部材をまとめてみました。結構多いですね。
時間があったら部材の少ない巣板を作ってみようと思ってます。
枠材 | 4 |
枠止め釘 | 6 |
針金 | 1 |
ハトメ | 6 |
自距金具 | 2 |
自距金具止め釘 | 10 |
最終更新日: 2019-05-22 05:52:55