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実験蜜蜂飼養法

実験蜜蜂飼養法


実験蜜蜂飼養法 ←リンク先で読むことが出来ます(国会図書館)
1907年出版。ちょうど百年前の本です。 国立国会図書館のデジタルライブラリで閲覧できます。

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「我国の世界列強五班に入りてよりは...国家を維持すべきところの租税も...」
その租税の大部分を占めているのは農家だけれど、年々疲弊してゆくように感じる。 なので副業として養蜂を広め、国の隆盛に寄与したい。
というのがこの本の目的だそうです。昔はこんな考え方が普通だったのですね。

100年前の養蜂場の写真

改良式巣箱の養蜂場真景


100年前の養蜂場。巣箱が並ぶのは現代と変わりませんが、 背景のかやぶき屋根の家が時代を感じさせます。

100年前の養蜂道具

改良巣箱


巣箱楽天 は現在とほとんど変わりませんが、現代のものは底板が箱にくっついています。 移動しないのであれば、この図のような底板を別にしたほうが継箱と兼用できて便利です。 私が自作している巣箱も別にしています。

道具類も紹介されていますが、驚いたことに、現代のものとほとんど変わっていません。 ないのは隔王板とスズメバチ防除器くらいです。 養蜂業って、100年間ほとんど進歩なしってことでしょうか。

除蜂器


除蜂器
これには驚きました。現代の日本には存在しないものです。以前、海外のサイトで この除蜂器と同じものが現代でも売られているのを見つけ、 「ほう、海外には便利な道具があるのだな」と思ったのですが 100年前に入っていたのですね。このことがこの本を読んで一番驚いたことです。

100年前のミツバチ自然分封群の捕獲

自然分封


自然分封
分封群に水テッポウで水をかけ、降りてきたところを捉まえています。 枝先に集まっているので、西洋ミツバチですかね。
文中では、鏡を使って光をあてるのも良いと書いてあります。 枝先には板や皮、桜皮などで作った屋根楽天 状のもので、あらかじめ吊るしておくと 好んで集まるとのことです。 今は人工分封で群を増やしますが、この頃は自然分封を待って捉まえるのが 一般的だったようです。

100年前の日本ミツバチの地域差

 四国九州の産は甚だ怒り易く、雲州の産は大群を成さず、 其の他甲州信州等の産もほぼ同一のようである。

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紀伊、熊野産のものが本邦種最良の種類として認められて居る。 性質は最も温順、飛翔力は最も強く、且つ軽快で能く労働する。王蜂の産卵力も 甚だ多く、能く寒暑に耐へ、越冬も巧み。 唯一の欠点は物に驚きやすく、逃亡しやすい。
とのことです。他の本にも日本ミツバチの地域性を書いてあるものがありますが、 本によって全くバラバラです。なのであんまり信用しないほうがいいかもしれません。

実験蜜蜂飼養法のデータ

タイトル : 実験蜜蜂飼養法
タイトルよみ : ジッケン ミツバチ シヨウホウ
責任表示 : 益田芳之助著
出版事項 : 東京:学農社,明40.5
形態 : 214p;23cm
NDC分類 : 640
著者標目 : 益田,芳之助
著者標目よみ : マスダ,ヨシノスケ
全国書誌番号 : 40063135
請求記号 : YDM64781
西暦年 : 1907

最終更新日: 2012-04-27 05:59:00

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Author: Tomoyuki Ito

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