洋裁CADで球形のテキスタイルパターンを作る方法
洋裁CADを使って、写真などの画像を変形させ、丸いぬいぐるみのテキスタイル型紙を作る方法を紹介します。
変形させる画像があれば、パターンは無料で作ることができます。
洋裁CADを使っている人向けに書いています。
準備
洋裁CADをインストールしておきます。洋裁CADは私の開発しているアパレル用2D/3DCADです。こちらからダウンロードできます。
フリーソフトなので無料ですが、扱い方を覚えるのにはかなり時間がかかると思います。そのつもりでダウンロードされてください。
変形させる画像ファイルを準備します。小さいサイズの画像だと、ぼやけてしまうのでなるべく大きいものを使います。
地球や惑星などの地図を用いる場合は、メルカトル図法で描かれたものを使います。他の製図方法ではうまく変換できません。
普通の写真でもOKです。
作例の地図は、
こちら
からいただきました。
画像ファイルは洋裁ホルダーの下のテキスタイルホルダーの中に入れておきます。
原理
洋裁CADには画像を変形させる機能があります。平面を分割した球形に変形する場合は、画像を縦割りにした短冊形を笹の葉の形状に変形させます。
笹の葉を縫い合わせれば球の形になります。笹の葉の先端は尖っていないといけないのですが、CADの制約上辺を消すことが出来ないので、先端部に小さな直線を残しています。
球の型紙の作図方法
笹の葉型の弧の描きかたを考えます。
半径aの球を、6枚の笹の葉に分解する場合、弧の両端を結ぶ直線の長さは、a×3.14になります。
弧の中心部の厚みは、a×3.14÷6。
弧を6等分して直線まで引いた水平線の長さは、球の断面、a,b,cの長さに比例します。
弧と直線のなす角は、360÷6度。
洋裁CADで書いたところ、6等分した位置のずれが小さいので、単純に多点2次ベジェ曲線でひいて済ませました。
製図でややこしいのはこのくらいです。笹の葉と四角の関係はこんな感じになります。
縫い合わせるための縫い代も必要なので、書いておきます。
画像の変形
印刷メニューの型紙楽天 イメージ配置を開き、地図イメージを置き、四角形を6つ並べます。
これだと縫い代部分に画像が無くなり、白い部分が見えてしまう可能性があるので、地図画像を9枚敷き詰めます。
6枚のパターン楽天 それぞれについて画像を変形させる処理を行います。この作業にはちょっと時間がかかります。
画像パターンの整列
6枚できたら印刷用にパターンを並べて一枚の大きなイメージに仕立てます。
このファイルをテキスタイルパターンメーカーに送って印刷してもらうわけですが、布は洗うと縮みます。
服であれば縮む分をあらかじめ伸ばして画像を作成するのですが、今回はぬいぐるみということで洗う機会はないでしょうし、
縮んでも服のように困ることはないでしょう。
なので今回縮み量は考慮せずに出力します。
3Dモデルでの確認
単純な形状なのであまり間違うことはないと思いますが、印刷する前に3Dモデル化して柄が繋がっているか、縫い合わせに矛盾がないかを確認しておくとよいでしょう。
テキスタイルプリント
出来上がった画像をテキスタイルプリントサービスの会社に送付して印刷してもらいます。
だいたい一週間くらいでプリントされた布が届きます。
これを縫い合わせて完成です。
今回は試験的に作ったので、プリントはしませんでした。
最終更新日: 2020-07-21 13:46:33