エンジニアードプリント(Engineered Prints)とは
アパレル関連の用語です。エンジニアード柄とも言います。
服のパターンに合わせて柄を配置、プリントした生地の柄を指す言葉です。
配置によっていくつか種類があります。
身頃を越えて柄が繋がっているもの
上の画像はメトロポリタン美術館の著作権フリーの絵画をパターン楽天 に落とし込んだものです。
普通にパターン上に置いただけでは不自然になってしまうので、絵をパターンに合わせて微妙に変形させています。
縫い合わせると連続した絵になります。
布にプリントした状態です。
パターンを考慮していない、普通の柄をプリントした布から切り抜く方法もありますが、その方法だと大量の余り布が発生したり、縫い代分が見えなくなって連続しなくなったりしてしまいます。
図柄を取り込んだパターンイメージを作っておき、これを布の上に配置することで無駄な隙間を減らすことが出来ます。
上の例はキャスケットに世界地図を載せたものです。地球儀のような面白い意匠になります。
パターンはこうなります。
パターンに沿って並べる
幾何学模様を、パターン上の線に沿って並べることもできます。
この魔女の服は、裾のラインに沿って三角形を配置しています。
パターンはこんな形になっています。
エンジニアードプリントの問題点
服に仕立てる場合は、洗濯後の縮みが問題になります。普通に服を作る場合は、まず布を水通ししてあらかじめ縮ませ、そのあと型紙をあてて切り抜きます。
エンジニアードプリントの場合はパターンをプリントした後に水通しをします。このため、あらかじめパターンを伸ばしておく必要があります。
布の縮み量は縦糸と横糸の方向で異なる場合がありますし、同じ布でもロットごとに縮み量が変化します。
縮み量を予測して延ばしますが、水通しした後に正確な寸法になるとは限りません。多少の誤差が出てしまいます。
エンジニアードプリントの利点
「テキスタイルに合わせて服を作る」から「服に合わせてテキスタイルを作る」へ転換なので、今までにないデザインを生み出すことが出来ます。
布にパターンをプリントするので、型紙楽天 を切り貼りして作ったり、作った型紙を布に写す作業が無くなります。
洋裁CADでエンジニアードプリント
作例は全て洋裁CADで製作したイメージデータを使ってプリントしています。
イラストレーターなどのグラフィックソフトでも可能ですが、正確なパターンを出力するにはCADの方が有利です。
洋裁CADはこちらからダウンロードできます。
最終更新日: 2019-03-27 10:58:06