3次元CADでぬいぐるみを作る方法
ツイッターで素敵なぬいぐるみを、3D-CADで作った型紙を用いて作られている方がいらっしゃいました。
面白いので、私も作ってみました(初めてのぬいぐるみで変な形になってしまいましたが)。
作り方を書いておきますので、ぬいぐるみを作られる方、参考にされてください。
3D-CADを使ったことがない方が作ろうとすると、かなり敷居が高いです。
手順
1 まず3D-CADでぬいぐるみの形を作ります。
2 表面(サーフェース)を型紙楽天 にできるよう分割します。
3 曲面を平面化するツールを用い、サーフェースを平面に変換します。
4 できた型紙をダウンロードして印刷
5 型紙を用いてぬいぐるみを製作
3D-CADでぬいぐるみ形状を製作
Fusion360という3D-CADソフトを使います。このソフトは趣味用途であれば無料で使うことができます。
このソフトはwindows64上で動作します。ブラウザ版もあるみたいですが、今回はこのWindows64版を使いました。このソフトを使うためにPCを32bitから64bitに買い換えたのです。
3次元モデルを作る方法には大きく分けて2つあります。機械のような工業製品を作るものとゲームの登場人物のようなぬめッとした形を作るためのものです。
機械のようなものを作るためのソフトが3D-CADです。断面を描き、それに厚みを付けたり、回転させたりして3次元の形を作ります。
後者は3Dモデリングソフトと呼ばれ、面を引っ張ったり押し込んだりして形状を整えるようです(私は機械用の3D-CADしか使ったことがないので詳しく知りません)。
Fusion360楽天 は3D-CADなのですが、後者のような使い方もできるので、二つの境界は曖昧なのかもしれません。
今回は、とあるお菓子のキャラクタに似た形状を作ってみました。楕円を回転させて作った3D形状を2つ組み合わせた単純なものです。
表面(サーフェース)の分割
形ができたら、表面を分割します。分割して面を平面に変換するので、変換後なるべくゆがみがなくなるように、また、縫い合わせ作業がしやすいように考えて
割る必要があります。
例えば、球を型紙にしたいときは、球そのものでは平面にできません。真ん中で2つに割るとおわん型になります。これを平面にすると、ただの円形になってしまい、これを縫い合わせて球にするには無理があります。
たくさんの面に分割すればゆがみは少なくなりますが、縫い合わせ作業が大変になってしまいます。
縫いやすく、かつ歪みの少ない割りかたを考えます。
下の図は分割前と後の様子です。
4種類、8枚の布で構成するようにしました。
曲面を平面に変換
分割した面は曲面なので、そのままでは型紙になりません。
Fusion360にはサーフェースを平面の型紙に変換してくれるアドインがついているのでこれをインストールします。Exact Flatというアドインです。
これをFusion360に入れると、
こんなメニューが追加になるので、型紙にしたい面を選択します。
自動的にブラウザが開くので、作業をブラウザ上に移し、型紙に変換します。
赤い部分はゆがみの大きいところを示しているのかな。
縫い代も自動で付いてくれます。
型紙のダウンロード
できた型紙をダウンロードします。DXF形式とPDF形式が選べます。とくに加工しないのであればPDFでダウンロードしてそのまま印刷すればよいでしょう。
2次元CADで読み込み、加工するならDXF形式を選びます。
Exact Flatは無料で使えますが、ダウンロード回数に制限があって、10回/月以降は有料みたいです。
ぬいぐるみの製作
型紙を得たら、これを使って布を裁断、縫い合わせてぬいぐるみに仕上げます。
最終更新日: 2017-08-15 18:06:18