和風コートの作り方と型紙
ウールで作った羽織風のコートの紹介です。型紙的には洋服です。
自分用に作りました。サイズの変更できる型紙楽天 もダウンロードできます。制作過程を書きました。
和装に見えますが、洋服です。和装の羽織はお腹の部分が開いていて寒いので、「腹布」を付けました。
腹布はホックで固定しているので、取り外すことができます。腹布ない方が見栄えはいいですね。
型紙のダウンロード
説明が長くなるので、ページを分けました。こちらからダウンロードされてください。
以下、この型紙を使うものとして作りかたを説明してゆきます。
型紙はPDFと洋裁CAD用のデータ、型紙リーダー用のデータを用意しています。
サイズが大体でこだわりがなければPDF形式、CADはできないけど大きさや細部に変更を入れたい場合は型紙リーダー、デザインを大幅に変えたい場合は洋裁CADを使うとよろしいでしょう。
洋裁CADも型紙リーダーも私が作っているフリーソフトです。
必要な道具
ミシン、マチ針、リッパー、手縫い針、アイロンなど。
ミシン楽天 、アイロンは必須。その他、一般的に必要な裁縫道具があればOK。
材料
ウールの生地を使いました。同じ大きさの裏地も必要です。
所要量は下の裁ち合わせ図の通り。
青い枠は幅1350㎜×20200㎜です。以前購入して押入れに入っていた生地がこのサイズでした。ギリギリなんとか入ってホッとしました。
その他接着芯、チャック、伸び止めテープ、布の色に合ったミシン糸が必要。
所用時間
実際に作るのにかかった時間は以下の通りです。裏布付の服なので、簡単な構造の割には時間がかかりました。
袖がなぜか5cmほど短かったので、布を足すのに余分に時間がかかってしまいました。短い原因は、CADに袖長さを50㎜短く入力してしまったためです。
合計:約10時間
布の裁断:60分
裏布の裁断:60分
端ミシン:90分
前後身頃の接合:10分
見返しの取り付け:100分
袖取り付け:40分
袖の延長:50分
脇縫い:20分
裾縫い:40分
腹布の作成、ホック取り付け:120分
制作手順
実際に作った手順を写真で紹介してゆきます。
型紙の作成
洋裁CADで製図しました。以前他のCADで似たデザインの物を作ったことがあるので、
古い型紙をDXF形式で読み込んで、形状の違いを確認しながら描きました。
作図中
裁ち合わせ図
型紙配置図
型紙はA3用紙12枚に入れましたが、袖を50㎜伸ばしたらはみ出てしまいました。ほんのちょっとですが、収まらないと歯がゆいですね。
布の裁断
カッティングマットの上に布を置き、その上に型紙を置いて、布に線をつけてゆきます。
つけ終えたら印に沿ってロータリーカッターで布を切って裁断。
そのあと、布を裏地に当てて裏地を裁断。
肩のダーツを閉じる
前身頃にはダーツを付けず、後身頃の肩にダーツをつけました。前回作った時はここにダーツを付けなかったところ、
肩のあたりずれて着心地良くなかったのです。
端ミシン
裏地のついた服はどんでん返しで作るのでしょうけれども、私はやったことないです。
なので自己流。端ミシンの時に裏布も一緒に端ミシンにかけて、一体化。そのまま縫製してしまいます。
ダーツを付けた部分は、裏布を折って合わせました。裏地にもダーツ入れた方がきれいでしたね。
前後身頃の接合
前後の身頃を肩の部分で縫い合わせ、接合します。
ハンガーに吊れるようになりました。
身返しの取り付け
衿は付けず、身返しを首の回りをぐるっと回して両裾まで延ばすことにしました。なので見返しの形がハテナマークみたいですね。
これを表側に縫い付けてから裏側にひっくり返します。
ひっくり返して仮縫いしたところ。仮縫いをしっかりしておかないと見返しがずれて表側に波打ちが出来てしまうので、2重に仮縫いしました。
折り返す縫い代の曲り部分には、切りこみを忘れずに入れておきましょう。
袖作り
和風なので袖ぐりを思いっきり大きくし、袖も幅広にしました。
洋裁CADに部品挿入機能を追加したので、袖はいくつかあるタイプの中から選ぶだけで製図できます。
ブラウスの袖を選んで改造したのですが、ここで大ミス。ついているカラーを消したのですが、カラーを無くした分だけ袖を伸ばすことを忘れていました。
結果...5cm短い袖が完成。
袖も身頃同様に裏布を切って、端ミシンで合体させました。
袖の取り付け
袖の前後裏表を確認して身頃に付けます。仮止めピンチ、仮縫い、ミシン掛けの順で作業します。
服らしくなりました。
袖の延長
この段階でやっと「袖が短い!」ことに気付きました。仕方ないので別布を付けて延長しました。
脇縫い
袖口→て脇の下→裾の経路で縫います。左右とも
裾縫い
裾を折ってアイロン掛けして、仮縫いしてからミシン掛けします。
縫っていると、どうしても合わなくなる部分があるので、合わない分は裾で調整することにしています。
腹布作りと取り付け
腹を冷やさないようにつける布を作ります。本体とはホックで取り付けるようにして、外せるようにしました。
形状は上下関係なくつけられるように長方形。本体と同じ布を使うつもりでしたが、袖の延長につかってしまったのでやむなく似た色のウールを使いました。
そのままではヨレヨレになるので、厚めの
接着芯
楽天 を貼りました。
ホックを付けて腹布完成。本体側にもホックを付けました。
和風コートの完成
これで完成です!
最終更新日: 2019-01-21 08:54:45