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ウエスト切り替えワンピースの作りかた

洋裁CADを使ってウエスト切り替えワンピースの型紙を製図して縫製したので、型紙楽天 と縫いかたを書いておきます。
1/3に縮小印刷して、スマートドール(Smart Doll)の「末永みらい」さん用を作りました。
型紙の製図が正しいかのチェックと洋裁の練習をかねての制作です。前回までは1/2トルソーで作っていましたが、いまひとつ楽しくないので、大きめのドールに変えました。

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完成したウエスト切り替えワンピース

完成したウエスト切り替えワンピースです。左に写っているのは、前回作ったローウエスト切り替えワンピースを着せた1/2トルソー。
ずいぶん大きさが違いますね。布の面積は長さの2乗に比例するので、1/2サイズなら布は1/4.1/3なら1/9で済みます。小さいと細かい作業が必要にもなるので、 1/2トルソーや大き目のドールで服を作るのは洋裁の練習にちょうどいいと思います。

型紙のダウンロード

説明が長くなるので、ページを分けました。こちら からダウンロードされてください。
以下、この型紙を使うものとして作りかたを説明してゆきます。
PDFで女性用7,11,15号とドール(末永みらい用)を公開していますが、洋裁CADとCADデータをダウンロードすれば自分好みにサイズやデザインを変更できます。
衿や袖などは今後部品ファイル化して差し替え可能になったので、袖は衿を自分好みに差し替えることもできます。
ドール用にするときは、ドールサイズの原型を作り、縮尺印刷します。

必要な道具

ミシン、マチ針、リッパー、手縫い針、アイロンなど。
ミシン楽天 、アイロンは必須。その他、一般的に必要な裁縫道具があればOK。

必要な材料

布は薄めの化繊の布(張りのあるもの)が扱いやすくて良いと思います。初心者の人は、適度に張りのある、伸びない布を使うのが成功への第一歩でしょう。 作例では日暮里の生地店で購入した1m100円の生地を使っています。
所要量は下の裁ち合わせ図の通り。
ウエスト切り替えワンピースの要尺

青い枠は幅1400㎜×2200㎜です。幅900mmなら4m位必要になります。
その他接着芯、チャック、伸び止めテープ、布の色に合ったミシン糸が必要。

所用時間

実際に作るのにかかった時間は以下の通り。といっても、1/3サイズなのであまり参考になりませんが、1/1サイズだとこの数割多く時間がかかると思います。
合計:約6.2時間
布の裁断:70分
端ミシン:省略
ダーツを閉じる:75分
上下身頃の接合:40分
前後身頃の接合:15分
衿ぐりの処理:45分
袖の作成取り付け:85分
チャックの取り付け:30分
脇縫い:20分
裾縫い:30分

制作手順

実際に作った手順を写真で紹介してゆきます。

型紙の作成

洋裁CADで型紙作成。下の画像は1/3ドール「末永みらい」用の型紙です。
末永みらいの型紙配置図 末永みらいの型紙

人間の場合はそのまま印刷するのですが、ドールの場合、サイズを測って、適切な倍率をかけて人間サイズの原型を作成し、 印刷時に元に戻るようなスケールをかけて印刷します。「末永みらい」の場合、3.33倍した寸法で原型を作り、A1サイズの枠に型紙を作成。
これを30%でA3の紙に印刷して、ドールに合ったサイズを得ています。
全ての型紙がA3の中に入ってしまうので、貼り合わせる必要がなく、とても作業が楽になります。

布の裁断

カッティングマットの上に布を置き、その上に型紙を置いて、布に線をつけてゆきます。
つけ終えたら印に沿ってロータリーカッターで布を切って裁断完了。
型紙写す 裁断完了

ドール服を作っておられる方の中には、型紙を布に貼りつけ、紙と布を一緒に裁断→ミシン掛けされている方がおられるようです。
この方法だと布がしっかりして縫いやすそうです。今度私も試してみようと思っています。

端ミシンと接着芯

今回は試作なので端ミシンは省略しました。普通に服を作るときは、端ミシンだけで2時間くらい使います。意外に時間がかかるのです。
端ミシンの前に 接着芯 楽天 を貼っておくのを忘れずに。
でないと、端に貼った接着芯が後からほつれてしまいます。貼った後、布と一緒に接着芯も端ミシンしておきます。
今回は接着芯の貼り付けも省略しました。接着芯がないと、その部分がヨレヨレになってしまいますね。

上下身頃のダーツを閉じる

上身頃前後、下身頃前後それぞれにいれたダーツを閉じます。
写真は上身頃前と下身頃後側です。ドールのスタイルが良いので、すごく立体的になりました。
前身頃上 後身頃下


上下身頃の接合

ダーツを入れたそれぞれの身頃、上下を接合します。
重ねて縫ってから、倒す要領。
上下身頃の接合1 上下身頃の接合2 上下身頃の接合3


前後身頃の接合

今度は前後の身頃を型の部分で縫い、接合します。
これで衿が付けられます。
前後身頃接合中 前後身頃接合後


襟身返しの取り付け

ドールは1/3サイズなので襟を作るのが小さくてたいへん。そこで今回は襟を付けず、身返しで処理することにしました。
U字型の布を衿ぐりに付けて仮縫い→本縫い。裏返して仮縫い→本縫い。で完成。
襟身返しの取り付け1 襟身返しの取り付け2 襟身返しの取り付け3 襟身返しの取り付け4


袖作り

袖はブラウスタイプの袖口の上までふっくらした形状のものにしました。
洋裁CADに部品挿入機能を追加したので、袖はいくつかあるタイプの中から選ぶだけで製図できます。
袖

上の画像の白い長方形は接着芯。カラーの芯になるものです。これより大きい布で接着芯をくるんでカラーにします。
袖をたたんでカフスに合わせて仮縫い。カフスを閉じて本縫いしました。
カフスの取り付け1 カフスの取り付け2


袖の取り付け

袖の前後裏表を確認して身頃に付けます。仮止めピンチ、仮縫い、ミシン掛けの順で作業します。
袖の取り付け

こんな感じになりました。
背接合した身頃


チャックの取り付け

背中にチャックを付けます。
左右の後身頃をミシン掛けして閉じます。この時、チャックを付ける部分は糸調子を緩くしておき、あとで解き易くします。
アイロン掛けして、縫い代を折っておきます。
後身頃の接合

ミシンでチャックを縫い付け、チャック部分のミシンを解きます。これでチャック取付完了。
チェック取付 ミシン糸をほどく


脇縫い

袖口から始めて脇の下を通り、スカートの裾まで縫います。
脇を閉じる


裾縫い

裾は2回折ってアイロン掛けして、仮縫いしてからミシン掛けします。今回は省略

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ウエスト切り替えワンピースの完成

これで完成です!
完成したウエスト切り替えワンピース

人形にはちょっと地味な服ですねw。

最終更新日: 2017-06-20 10:32:30

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Author: Tomoyuki Ito

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