スイングバイ航法の原理
スイングバイ航法とは、宇宙探査機が惑星や衛星の重力を利用して軌道を変更したり、速度を変えたりすることをいいます。
外惑星へ向かう探査機ではだいたいこの航法を利用してスピードを上げています。
最近では冥王星に接近したニューホライズンが木星を利用して加速しています。
スイングバイの原理
探査機の速度を上げたい時は、対象の惑星の後ろから近づくようにします。こうすると探査機が惑星に引っ張られて、太陽に対する公転速度が上がります。
速度を上げた探査機は太陽や惑星を振り切ってより遠くへ飛んでゆきます。
動画で見るとこんな感じ。
では、反対はどうでしょうか?
過去には水星に向かい探査機が金星を利用して速度を下げ、水星に向かった例があるそうですが、
ここではアポロ宇宙船の軌道を描いてみました。
アポロ宇宙船の軌道の原理
アポロ宇宙船は月に追いつかれる方向で月へ向かいました。
これでは上の軌道と逆で、宇宙船は速度を失い、地球へ落ちてしまいます。
アポロではこれが狙いです、というより、速度を上げて宇宙の彼方へ飛んで行ってしまったら困りますよね。
こうした軌道をとることで、万が一途中で事故が起きてとしても、宇宙船は自然に地球へ落ちてくるようになっていました。
アポロ13号では月へ向かう途中で重大な事故に見舞われましたが、乗員たちは生き延びる時間を稼いでさえいれば、地球へ戻ることが出来たわけです。
最終更新日: 2016-01-26 21:59:34