パンツ、パターンの長さが違う場合の修正
自分で型紙を製図してズボンやジーンズを作るのですが、前後の身頃で長さが合わず、裾が段違いになってしまう場合があります。ネットで調べてみると、同じことで困っている人が多いようです。この問題について考えてみました。
パンツのパターン
まずは型紙楽天 の形状を見てみましょう。ジーンズとノータックパンツ。洋裁CADで製図しました。
ご存知の通り、ズボンは2本の筒状の布を2つ繋げて作ります。その片方を描いています。筒状にするので、両端を繋げます。
通常は布を前身頃と後身頃に分けるので、筒に縫い合わせるには、2組の辺を縫い合わせます。
ジーンズはピンク色で書いた線同士を縫い合わせます。
ノータックパンツは緑と赤の部分をそれぞれ縫い合わせます。
ジーンズの方は前身頃と後身頃が一体になっているので、縫う部分が少ないです。
ジーンズは元々作業着からきているので、縫う部分が少なく、無駄な布もあまり出ないようなデザインになっているのです。
ノータックパンツは曲線が多くて縫う量も多いですが、体によりフィットします。
型紙はどちらも「文化ファッション大系 服飾造形講座9 メンズウェア1」で解説されている製図方法に依って描いています。この本は服飾学校の教科書に使われています。
前後身頃の長さ
縫い合わせるわけですから、両方の線が同じ長さでないと、縫い合わせた時にずれてしまいます。
では本当に長さは同一でしょうか?
ジーンズ
ピンクの線、後身頃(お尻の方)が7.3mm短い
ノータックパンツ
緑の線(内股)、後身頃の方が8.3㎜短い
赤の線(脇側)、後身頃の方が0.5mm短い
微妙に違いますね。縫う距離が長いので、少しずつ修正すれば問題なさそうですが...教科書通りに描いてずれてるって、ちょっとショックです。
本の解説ではその後仮縫いで調整したり、くせとりをしたりとあるので、型紙の時点でずれていても問題ないのかもしれませんが、
ジーンズはそんなことしないので、気付かずに縫って「あ!裾がずれてる」ってことになりかねません。
身頃を修正する
長さ違いのままでは気分が悪いので、修正する方法を考えてみました。
基本的に「きつくならない方向」で修正してみます。つまり長い方を短く(足を短く)する方向で修正。
ジーンズは...前身頃の端点を7.6mm下げたら同じ長さになりました。
ノータックパンツは8.5mm端点を下げました。
修正前後のパターンはこんな感じ。洋裁CADなら、曲線長さを正確に指定して描画できます。
まとめ
長さが違う→同じにした、ということで、型紙を修正してみましたが、これが正解なのかと聞かれると、多分違うと思います。
穿く人に合った型紙にするのが正解ですから、修正方法は場合に依るのだと思います。
それでも、「緩くなる」方向でとりあえず修正というのがだいたい正しいかなというのが、今回の考察。
また何かあったら書き足します。
最終更新日: 2016-01-06 05:00:18