原型差し替えで自動グレーディング
自作の洋裁CADの完成度が上がってきて、作りたかった機能を実行できるようになったので、試験的に型紙作図してみました。
目的の機能は、異なるサイズの原型型紙楽天 を差し替えることで自動的に原型に合ったサイズの服の型紙に再描画するものです。
図にすると下のような感じ。
このような服のデータをネット上に置いておけば、利用したい人が自分用の原型に差し替えるだけで、多くの人が型紙を共有できるようになります。
洋裁CADについての情報はこちらをご覧ください。
まだ公開していませんが、いずれフリーソフトとして公開する予定です。
CADで原型を製図
まずはサイズの異なる原型を用意します。以前作っておいた文化式原型を使いました。
サイズは、バスト:830、ウエスト:640、背丈380と、バスト:920、ウエスト:690、背丈430の2種類。
原型型紙も1度作っておけば、サイズ違いは3つの寸法を再入力するだけで自動的に描画できます。
CADで服の製図
新しいデータファイルを作成し、小さい方の原型を参照読み込み、原型線を参照しながら前身頃を製図してみました。
試験用なので大体なのですが、原型の展開もしてみました。
洋裁CADの製図方法は、「線を引く」というよりは、他の要素との関係を記述するやり方です。「この線はあの線から20mmオフセットする」
といったやり方です。線同士の関係を確実に構築しておけば、線を差し替えても意図した形状に変わってくれます。
逆に関係が出来ていなければ、予想外の形になってしまうので、作図は他のCADよりも難しいと思います。
その代り、変更は容易にできます。
原型型紙の差し替え
完成したら、参照している原型ファイルを差し替えてみます。
差し替えはファイル名を書き換えるだけ。前身頃の再製図も一瞬で終了します。
上の図ではどれだけ変わったのか分かりずらいので、変更前後の前身頃を重ねてみましょう。
ずいぶん変わっているのがわかりますね。
普通にSMLサイズで縮小するのではなく、バスト、ウエスト、背丈それぞれを変更するので、着る人により合った型紙を作ることができます。
ドレメ式の原型は、このCADではまだ作っていないのですが、ドレメ式は文化式よりパラメータが多いので、さらに面白いことになりそうです。
最終更新日: 2014-08-06 05:55:02