柿の枝の剪定方法
柿の剪定のしかたを図と写真で説明しています。
私は柿の
剪定
楽天 を始めて15年くらいになりますが、何年もかかってやっと自分なりの形ができてきました。剪定のしかたとコツなどを書いています。
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柿の果実が付く枝の位置
柿の実は、その年に成長した枝の先に付きます。新しい枝ならどの場所にも付くわけではありません。
前年の枝に付いた芽の先端から4番目くらいまでに付きます。図にすると、下記のようになります。
冬の間、左のように見えていた枝が、翌年には右のようになります。
写真で見ると、こんな感じになります。
上の写真は5月に撮影したもので、わかりやすいように葉を取り除いています。緑色が今年の春に伸び始めた枝。
前年の枝の先端から1番目と2番目の芽から伸びた枝に花が付いています。これがやがて実になります。
3番目、4番目は葉だけが付いていました。
花が付くのは先端から何番目という決まりはないのですが、先端に近いほど付きやすいです。
下の写真は4本の新枝全てに花が付いています。
ちなみに、柿の花は雄花と雌花が別で、雄花には実はつきません。品種にもよりますが、写真の「富宥」という品種は雄花が付きません。なので花は全て実になります。
雄花の咲かない品種は、その木だけでは実が付きにくいので、雄花の咲く品種を近くに植えておきます。かなり離れていても受粉するので、自宅で植えていなくても近所にあれば大丈夫です。
柿の実を調整する剪定のしかた
柿の実は1本の木にたくさん実りすぎると栄養が分散してしまい、小さな実が数多くできます。
商品としてはSサイズたくさんよりLサイズ、LLサイズ少しの方が価値があるので、私は実の数の調整も考えて剪定をしています。
下の右図の枝を剪定しなければ中央の図のように実がなります。枝の先端を切ってあげれば、右のように実が付かないか、数が減ります。
実の数を減らすと1つの実にゆく栄養が増えるため、実が大きくなります。
SサイズたくさんよりもLLサイズを少量作った方が収入は増えるのです。
枝を透かす剪定のしかた
枝が込み合っていると、実がこすれて傷が付いたり、太陽光が木の中心部へ届かなくなって、葉が枝の先端にしか付かなくなってしまったりします。
枝の密度を減らし、隙間を増やす剪定をすかし剪定といいます。
具体的には、枝を間隔をあけて根元から切り取ります。すると、下の図のように残った枝がスーと伸びてくれます。
果実を調整するために枝の先端を切る剪定を先に書きましたが、
これを多用すると、下の図のように枝がたくさん伸び、込み合ってしまうので気をつけます。
このように枝の先端を切り詰め、新しい枝の成長を促す剪定方法を、切り戻し剪定といいます。
実際の剪定作業では、この二つを組み合わせて行い、程よい枝の茂り具合にしてゆきます。
柿の木の樹形を整える剪定
ここの枝だけでなく、木全体の形も考えて剪定します。
この剪定は、比較的大きな枝を切る場合が多いです。
柿の木を剪定せずに育てると、左のような樹形になります。柿の実があまりに高いところに付くと、収穫が大変ですし、剪定も難しく、農薬もかけづらくなります。
ですので普通は主幹を切り落とし、枝を左右に広げ、木を低く保って管理します。こうすれば剪定や収穫など、管理が大変楽になります。
剪定の時期
原則として冬、収穫後に葉が全て落ちたら始めます。1、2月くらいは寒いので、11月から12月くらいに済ませるとよいでしょう。
今年(2020年)は不作で出荷作業が早く終わったので、12月中に終了できそうです。年を越すと寒くて辛いので、頑張って年内に終わらせます。
3月中旬になると、芽が動き始めるので、その前に終わらせます。11月から3月位が剪定の適期です。
夏に行う、剪定もあります。余分に付いた実を落として、その年に伸びた枝のうち、重なり合って日陰になるような枝を取り除きますが、普通の人は夏の剪定はしていないようです。
冬の剪定と同時に肥料もあげておくとよいでしょう。寒い間に撒きます。3月くらいに肥料を与えると、咲いた花が落ちやすくなるそうです。
剪定動画
実際の剪定作業をタイムラプスで撮影してみました。
最終更新日: 2021-11-06 06:04:21