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オリジナル怪談 第7話:記念撮影

妻とバスツアーで観光旅行に出かけた。3年前に仕事を退職したので、時間はいくらでもある。
平日発着のプランは割安なので、最近よく利用している。
自家用車で出かければ時間を気にせず、マイペースで回ることができるが、自分で運転するのは疲れる。
バスは団体行動なので時間が縛られるものの、道路状況を確認したり疲れて運転するということがない。
そんなわけで、退職した当初は自家用車で旅行していたのだが、最近はもっぱらバス旅行を楽しんでいる。

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サービスエリア

今日は長野への観光。途中のサービスエリアで休憩となりバスを降りた。高台にあるSAで、景色が良い。
トイレを済ませた後、記念撮影場所になっている広場に行ってみることにした。
広場からは下の平野が見渡せて、その向こうの青い山々も見渡すことができる。
そういえば数年前、妻と自家用車でここを訪れたことを思い出した。この広場で記念撮影をしたのだ。
広場には初老の夫婦が一組いるだけ。風景の写真を撮ろうと歩いて行くと、その夫婦に声をかけられた。「すいません、写真を撮っていただけますか?」
「もちろん、いいですよ」私は手に持っているカメラで夫婦の記念写真を撮影してあげた。
「ありがとうございます」「どういたしまして」
そう話していると、遠くで妻が呼んでいる。時間だから早く戻ってこいということらしい。
挨拶もそこそこにして、バスへ戻ってきた

写真

「あんた何やってたの?」
「頼まれたから、記念写真撮ってあげてたんだよ」
「一人だったじゃない」
「え?何言ってるんだ、夫婦がいただろう」
妻は広場には私一人で、しかも一人で話をしていたから変な感じだったという。
「そうなことはない。写真も撮影したから見てみよう」
そう言って私はデジカメの画像を再生してみた。広場には誰もいなかった...
「そもそも自分の カメラ 楽天 で人の記念写真は撮らないでしょ。カメラを借りて撮ってあげるものでしょう」
なるほど、確かにそうだ。自分はどうかしている

記憶

ふと数年前、同じ場所に立ち寄ったことを思い出した。
そう、あのときは二人で記念写真を撮ろうと、通りかかった人に撮影してもらったのだ。
しかしその時の写真は持っていない。うっかりその人の持っていたカメラで撮ってもらったからだ。
そのことを思い出していると、妻もちょうど同じことを思い出したようだった。
「まさか、その人たち」二人同時に同じ言葉を発してしまった。

最終更新日: 2016-07-26 05:25:36

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