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100年前の養蜂場

時間が出来たので、また 国立国会図書館近代デジタルライブラリー の探索をしてきました。このライブラリーでは主にミツバチ関係の探索をしています。
なぜかというと...養蜂技術の進歩はあんまり早くはないので(失礼)、むやみに新しいことを求めるだけでなく 古いことを掘り起こして消えてしまったものを掘り起こすことも重要ではないかと思っているからです。
まさに温故知新ですね。
で、今日は「大日本養蜂家名鑑 附・養蜂楷梯」という本を読みました。 こちら 100年前の養蜂家の名鑑なのですが(養蜂の仕方もおまけとして付いている)、 広告欄に面白い写真がたくさんあったので、コピペしてみることにしました。


「養蜂舎の光景」特に注意書きはないのですが、これは日本のものではないでしょうね。
養蜂舎という言葉は、この頃の本によく出てきます。
養蜂舎の光景


長崎県西彼杵郡伊木力村 山本養蜂園
庭先養蜂でしょうか、小規模ですね。
山本養蜂園


杉村農場柿園内蜜蜂越冬の景
こもを巣箱にかけて冬を過ごしているわけですね。
同じ柿農家(自称)としては、柿の木の樹形が大いに気になります。「自然樹形じゃないですか!」 現代では、剪定しなければ、柿の実が小さかったり実に傷がついて勝ちが下がってしまうのでですが、昔は そうではなかったのかな?
杉村農場柿園内蜜蜂越冬の景


日本種蜂場
岐阜県に当場あること見逃すなかれ!
みなさん総出で内検中です。和装で作業したら、袖の中にミツバチが入って大変なことになりそうなんですが...
この本に出ている広告のほとんどは「種蜂分譲します」です。本の内容にあわせた広告なのか、この頃は種蜂分譲が 盛んだったのか、よくわかりません、
日本種蜂場


大野養蜂園
こちらはみんなで採蜜中。岐阜県の広告がものすごく多いです。
岐阜って、養蜂が盛んだったのですね。
大野養蜂園


名和昆虫工芸部
昆虫を使った何かをする会社?!
電話はまだ十分に普及していなかったのでしょうね。この広告には 電話番号138とありますが、電話のない広告の方が多いです。
名和昆虫工芸部


我が家のすぐ近くの養蜂園を見つけました。
今は存在していません。これは残念。
里庄の養蜂園


いいえ、現在の山田養蜂場ではありません。でもなんで、養蜂場なのに 写真はバイク店なの?バイク販売の副業だったのでしょうか?
山田養蜂場


こちらは岐阜の養蜂用具店、ずらりと並んでいるのは遠心分離機ですね。
岐阜秋田屋養蜂園


杉山養蜂場。外国種蜂専門とのこと。並んだ巣箱楽天 が愛らしいです。
杉山養蜂場


福井養蜂園さん。こちらは小規模なのかな。
福井養蜂園


佐賀県鳥栖養蜂場。イタリア種専門。
現代とあんまり変わらない光景ですね。
佐賀県鳥栖養蜂場


ここから「養蜂楷梯」現代語訳すると。「養蜂指南」ってところでしょうか。
蜂群配列の光景
蜂群配列の光景


改良巣箱の図
この時代のキーワードは「改良」なのだそうです。人種改良とか...
なのでこの頃のトレンド巣箱も「改良巣箱」。
なんだか示唆に富んだ得ですね。私にはスノコ状の隔王板???、がとっても気になります。
改良巣箱の図


英国式巣箱。こちらはうっすっぺらいのですね。
英国式巣箱


面布をかぶった日本人。
先ほどの和装で蜂を扱う人といい、この写真といい、とても実際の作業をする服装とは思えないのですが、
面布をかぶった日本人


「ラグーベンホルストの巣箱」。
注釈がないので、どんな巣箱なのかさっぱりわかりません。
ラグーベンホルストの巣箱


うんうん、やっぱり蜂舎は有効ですよね。特に夏は。
室内養蜂の光景


100年前の移動養蜂。
馬車に揺られての旅ですね...しかし、いくら急いでも花が先に咲いてしまうのではないでしょうか? 馬車で本当に有効な移動養蜂が出来たのかな?
100年前の移動養蜂


巣箱堆積の光景。
スズメバチの襲撃を受けた蜂場のようです。昔もスズメバチは当方の大敵だったわけですね
巣箱堆積の光景


スズメバチ遮断機器の図
これを巣門に取り付けろというのですが...どんな構造のものなのか、さっぱりわかりません。
スズメバチ遮断機器


越冬蜂群の光景
稲藁を載せて越冬というわけですね。
越冬蜂群の光景


盛んなる養蜂場
これは日本ではない?
盛んなる養蜂場


蜂王幽閉分蜂収容の光景
女王蜂を幽閉した箱に入ってゆく働き蜂たち。
改良巣箱の形状がよくわかります。
蜂王幽閉分蜂収容の光景


欧州の普通の巣箱
右はSKEPですね。左は...わかりません。
欧州の普通の巣箱


桜花満開蜜蜂活動の光景
いいえ、この写真からは蜜蜂が活動していることなど見えません。
桜花満開蜜蜂活動の光景


養蜂道具箱の図
道具箱兼イスなんでしょうね。よく考えられていると思います。日本人らしい発想と感じます。
養蜂道具箱の図


巣楚製造の有様
100年前の母娘、なんだか楽しそう。今頃はあちらの世で楽しく製楚していることでしょう。
巣楚製造の有様


養蜂器具陳列の図
前出の秋田屋さんの店先でしょうか?
養蜂器具陳列の図


下の2図は日本と外国の養蜂形態を比較したもの。
日本の巣箱は見たことのない面白い形状をしています。
結局、蜜蜂ってどんな巣箱でも順応するのかな、やっぱり。
どんな巣箱がいいのだろうかと悩むのは、人間の都合ばかり考えるからなのだろうと思います。
日本の養蜂 外国の養蜂


タイトル : 大日本養蜂家名鑑 附・養蜂楷梯
タイトルよみ : ダイニホン ヨウホウカ メイカン フ ヨウホウ カイテイ
責任表示 : 大日本養蜂会編
出版事項 : 岐阜:大日本養蜂会,大正2
形態 : 184,152p 図版 肖像;23cm
NDC分類 : 647
著者標目 : 大日本養蜂会
著者標目よみ : ダイニホン ヨウホウカイ
全国書誌番号 : 43018860
請求記号 : 349-79
西暦年 : 1913
著作権 : 保護期間満了

最終更新日: 2010-11-03 00:00:00

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Author: Tomoyuki Ito

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