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Fusion360+ExactFlatを使った服飾パターン製作を考える

3次元CADを使って、個人が服を作れるのか考えてみました。

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Fusion360とExactFlat

Fusion360はAutoDeskの販売する3次元CAD楽天 ですが、個人利用であれば無料で使えるものです。
ExactFlatはそのアドインアプリケーションで、3次元の曲面を2次元に変換できるツールです。ExactFlatも無料で使えますが、ダウンロード回数に制限があるようです(制限を超えたら有料)。
Fusion360で服の3Dデータを作成し、ExactFlatで平面化化すれば、あっという間にパターン完成!、しかも無料...と思ったのですが、果たしてうまくゆくでしょうか?
下はイメージです。
3モデルを型紙化


3D→2D化と2D→3D化の非対称性

一番の壁は「変換の非対称性」だと思います。
3D-CADで服を作ろうとすると、3次元の曲面を2次元化して型紙とし、これを使って平面の布を裁断、縫い合わせて3次元の服にします。
3D→2D化の時の変化と2D→3D化の変化が異なっていると、CADで作成した3Dモデルと完成した服の形状は異なってしまいます。

3次元の曲面を2次元の平面に変換すると、必ずゆがみが生じます。
世界地図を例に考えればよく分かると思います。面積を正しく描くと形がゆがみ、形を正しく描こうとすると面積が変わってしまいます。
3次元CADで描いた曲面も、ExactFlatで平面化すれば必ず歪みます。つまり3D→2Dの変化はゆがみとして現れるのです。
3D→2D では、平面を3次元にするときはどうでしょうか。
布を裁断し、縫い合わせて服にして着ると、しわが寄ったり、伸びたり(歪み)、ねじれたりして体にフィットします。素材にもよりますが、その多くはしわとして現れることになります。
つまり
3D→2D化 ゆがみ
2D→3D化 しわ
となるわけで、3Dモデル=完成した服、という形になることは期待できません。
極端な例で考えてみましょう。半球型の三次元曲面を強引に2次元にすると、円になります。布を丸く切り取り、球の上にかけた場合、下の図のようになります。
半球半球の3Dモデル

円半球を押しつぶして2次元化

布丸い布を円形のものに被せる


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服以外で適するもの、不適なもの

服や布で作る服やそれ以外のもので、変換の非対称性の影響が少ないものは、3Dモデルでのデザインが有効なものがあると思います。
ニット製品は3次元形状に沿って編み込んでゆけばよいので、いったん2次元化する必然性はありませんので、うまく作れると思います。
ぬいぐるみは中に綿を入れて膨らませるので、変換の非対称性が少ないし、許容誤差も服に比べて大きいので適していると思います。
試作してみましたが、ぼちぼちの結果が得られました。こちら
ぬいぐるみの3Dモデル 製作したぬいぐるみ

カバンは平面的なものであれば適していると思います。
コスプレ衣装のうち、鎧のようなものはうまくゆきそうです。
帽子はうまく出来ると思い、実際に作ってみましたが、かぶってみると寸法が変わっていて、小さくなっていました。ゆがみが寸法に出てしまうので不適でしょう。 こちら
帽子の3Dモデル 出来上がった帽子


ExactFlatの実力

アドオンソフト、ExactFlatの実力を見てみました。このソフトは、Fusion360で作った曲面を、2次元の平面に直してくれます。
ゆがみが出てしまうのは仕方ないのですが、どの程度うまく変換してくれるのか、知りたかったのです。
まずはダーツの形成。
服では凸形状を出すためにダーツをつけます。先ほどの半円にも切れ込みを入れてダーツを形成すれば、ただの円よりは正確に3次元化できるはずです。
半球 円錐

半球と円錐に切れ込みを入れて平面化してみましたが...
半円の展開図 円錐の展開図

あれれ、期待していたものとかけ離れたものができてしまいました。
展開図

本来はこんな感じで展開されるはずなのですが...
帽子のの寸法が合わなかったので、寸法誤差も確認してみました。
チューリップハットの型紙楽天 、形状は良いのですが、真ん中あたりの縦の寸法が正しくないと、頭にピッタリはまりません。
測ってみると、10o以上小さくなっていました。
型紙

試しに曲面を分割して2つの型紙にして出力してみたら、
帽子の型紙 帽子の型紙

2枚の型紙の間でも6oほどの差がありました。この誤差の量はは帽子や服では許容できないでしょう。

そのほかのアプリケーション

Fusion360+ExactFlat以外にも同じような用途で使えそうなアプリを探してみたので参考に書いておきます。
Metasequoia+ペパクラデザイナー
ペパクラデザイナーは紙工作用のようです。
DressingSim LSX
3Dモデルをパターン楽天 化するソフトウエア。プロ用。タックやギャザーは再現不可。
マーベラスデザイナー
2D→3Dシミュレーションソフト?

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3Dで服を作るメリット

思い描いた服を自分で作りたいと考えたとき、まず突き当たる壁は型紙作りなのだと思います。
紙に線を引いて、果たしてその引いた線が思い描いた服になるものなのか、さっぱりわかりません。
結果が出るのは、型紙を完成させ、布を裁断して縫い合わせた後になります。
縫い合わせてみて、思ったものと違っていれば、型紙に戻って作り直し。これを繰り返すのであれば、最初から作りたいとは思わないでしょう。
服を3Dモデルで作り、それと同じものを作ることができれば、この繰り返し作業がなくなるので、やはり3Dは魅力的だと思います。

今後の方向性と洋裁CAD

問題が3D→2D→3Dの変換の非対称性であれば、これを回避することで解決できるはずです。
2D(PC内)→3D(PC内) 2D(PC内)→2D(型紙)→3D(服)の変換が答えの一つであると思っています。
まず2次元で型紙を描き、これを3次元化します。2D→3Dの布シミュレーションは可能ですから、しわや伸び、タックやギャザーなどがある、布らしい3Dを作ることができます。
この3Dモデルを修正するときは、PC内部で2Dモデルを修正し、3D化して表示させます。実際には裏で2D→3D変換をしているのに、使用者は3Dを直接を修正しているように感じます。
こうすれば3D→2Dの変換をせず、パソコンの中の3Dでデザインした服を実際に作ることができるようになります。
ただし、最初の2D型紙を作ることができなければ、あらかじめ用意された型紙を選んで寸法を変えるだけになりますから、デザインというより修正に近くなってしまいますね。
私の作っている洋裁CADに、今後この機能を取り入れてゆこうと思っています。

最終更新日: 2017-09-12 09:34:07

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