ニンジンの育て方(栽培方法)
ニンジンは、年間を通じてたくさん食べられる野菜の一つです。
βーカロチンを多く含み、加熱してシチューや煮物、生のままサラダやジュース、また、お菓子の材料としても利用されます。
品種
西洋系 : 根長10-18cmになる
東洋系 : 30cm以上になる
に大別されます。
西洋系が多く栽培されていて、最近では根の色が黄、黒、紫、白など色の変化した品種も出て来ています。
栽培のコツ
栽培で失敗しやすい一番の原因は、発芽不良です。
種の水分を吸収する力が弱いためです。発芽するまで土壌が乾燥しないよう、十分に注意しましょう。
また、種が小さいため、蒔きやすいように種の周りに天然素材を主成分とする粉体でコーティング加工をしたペレット種子が出回っています。
このペレット種子は一度水を吸収した後に乾燥するとペレットが硬くなり、発芽できなくなります。この意味でも水分が切れないよう注意しましょう。
夏蒔き
8月下旬-9月上旬に種まきします。(金時人参の播種は7月中下句)
現在栽培されている夏まきニンジンの多くは西洋人参になります。
この時期は高温、乾燥、秋雨前線や台風による大雨など厳しい気象状況になることがあり、注意して育てましょう。
冬蒔き
1月初-下旬に種まきします。初期は寒いのでトンネルで覆い、温度を保って育てます。
春蒔き
3月中旬-4月上旬ころに種まきします。
その他の作型(関西地方)
| 種まき | 収穫 | 品種 | 備考 | 9月中旬 | 4月 | 向陽二号、ベターリッチ | 11月～1月までトンネル | 3月初旬～4月末 | 6月～9月 | 向陽二号 | 5月初旬～6月末 | 9月～11月 | 夏蒔鮮紅五寸 | 7月初旬～8月末 | 11月～12月 | ちはま五寸 | 8月初旬～下旬 | 11月～12月 | 金時 |
畑の準備
ニンジンは直根性なので、ポットでの育苗はできません。直接畑かプランターに種まきします。
種まきの2週間前までに10平方メートル当たり完熟堆肥10Kg、苦土石灰1Kgを施し深く耕します。
元肥は種まき1週間前までに有機入り化成肥料1.5Kgを施します。2条播きの場合、幅70-90cm、高さ20cmの畝を作ります。
種まき
発芽温度は8-30℃と幅があり 最適温度は15-20℃で、30℃以上になるとほとんど発芽せず、10℃以下になると発芽まで15日以上かかります。
播種前日に5-10mmの溝を作り、溝にたっぶり灌水しておきます。
種は2cm間隔のすじ播きとし、5mmほどの薄めの覆土を行った後、鍬で軽く鎮圧し、種子が流れないように注意しながら水を与えます。
ニンジンの種は日光を感じないと発芽しないので、深く埋めてはいけません。
さらに乾燥防止のため切りわら、寒冷紗、芽出たいシートなどで被覆し、発芽まで土壌を乾燥させないように気をつけましょう。
表面が乾いたら灌水し、発芽まで適湿を保ちます。
特にペレット種子は乾燥させると発芽不良になるので注意します。
発芽まで約7-10日かかり、かつ初期生育が緩慢で雑草に負けることが多いです。
雑草が良く生える畑では、トレファノサイド乳剤やトレファノサイド粒剤2.5などの除草剤を散布しましょう。
間引き
1回目は本葉2-3枚のとき、 密生部を中心に株間3-4cmになるようにします。
2回目は本葉5-6枚のときに株間10cm程度になるようにします。
間引きの時に対象とするもの
①葉色が濃いもの、
②葉長が短いもの、
③葉数が多いもの、
④葉が地面を這うように開帳しているもの、
このような苗を抜き取ります。
追肥と土寄せ
追肥は2回日の間引き後、10平方メートル当たり速効性化成肥料200gを株間に施用し、除草を兼ねて株元へ土寄せを行います。
このとき根首部への覆土が少ないと日焼けをして青や紫に変色し、品質が落ちるのでしっかり土を寄せます。
収穫
品種と作型により異なりますが、五寸ニンジンの場合には105-120日程度で肥大が完了します。
根の色が濃くなり、付け根の部分が丸くなって来たら収穫どき。
収穫適期のニンジンは、根長18cm前後、根重200g 前後です。
ニンジンの整理障害
裂根
成長期に水分量が適正でないときや収穫時期を過ぎて収穫すると発生が多くなる。
岐根
未熟の有機物の多用、元肥施用直後のは種、生育初期の湿害等で根の生長点が傷つくと発生が多くなる。
着色不良
根部の先の色が薄く、 きれいに着色しないことがあります。これは肥大時の温度によるもので、高くても低くても色が薄くなる。
青首
根首部が地上に露出すると、 日焼けして青(緑)や紫に変色する。
最終更新日： 2016-08-29 07:50:32