人用の型紙をドール用に変換する方法
洋裁CADを用い、人用の服の型紙をドール用に変換してみました。その方法を解説します。
使ったドール、リカちゃん
使った道具、洋裁CAD
洋裁CADは私が作っているフリーソフトです。
既成人間用の型紙楽天 の原型をリカちゃん楽天 サイズの原型に差し替え、縮小印刷しています。
方法
①ドールのサイズを測って人間のサイズとスケールを設定する。
②原型を作ってドールに着せる
③フィットしていなかったら修正
④人間用型紙へドールの原型を差し替える
⑤ドール用に型紙を書きかえる
⑥設定したスケールで印刷
結果、こうなりました。
ドールのサイズを測って人間のサイズとスケールを設定
まずはリカちゃんの寸法を測ります。原型は文化式を使うので、とりあえずバスト、ウエスト、背丈を測ればOK
| 実測 | 6倍 | 8倍 | |
| 身長 | 225 | 1350 | 1800 |
| バスト | 110 | 660 | 880 |
| ウエスト | 74 | 444 | 592 |
| 背丈 | 38 | 228 | 360 |
| ヒップ | 108 | 648 | 864 |
実測と、適当なスケールで大きくした数値を並べてみました。
リカちゃんは小学5年生という設定ですが、体格はどう見ても小学生ではありませんね。
原型には大人用と子供用があります。そこで、スケール6で子供原型、スケール8で大人原型を作り、リカちゃんに着せてみることにしました。
原型を作ってドールに着せる
上の表の数値を入力して、それぞれの縮尺で印刷したのが下の写真。
上が文化式女児140原型で、下が文化式新原型女子です。
大人原型は、まあフィットしているかなぁというところ。
子供原型は．．．全然ダメ。
胸の下がスカスカに空いて、背中がキツイ。
ということで、大人用原型をスケール８で使うことに決定。
原型の修正
背丈が若干足りなかったのと、バストポイントが低かったので2か所を修正しました。
バストポイントは24㎜(ドール上で3mm)上に移動させました。
こんな感じ。
原型の差し替え
原型の差し替え機能は洋裁CAD独自のものです。サイズの異なる原型を差し替えれば、型紙が自動的にその原型に沿って変更されます。
バスト840→880 ウエスト645→592 背丈380→360に変更しています。
灰色が差し替え前、色付きが差し替え後。
差し替え前の人はどんな人かというと．．．
リカちゃんの後ろに立っているトルソーさん。1/2サイズです。リカちゃんは1/8．リカチャンから見ると巨人ですね。
ドール用に型紙を書きかえる
縫い代を10→40mmに変更しました。裾折り返し40→80mm
1/2トルソーであれば人用と同じ縫いかたが出来ますが、1/8ドールでそれは無理。
なのでドールの作り方に沿った修正が必要になると思うのですが．．．
私はまだドール服作ったことがないので、修正はこれだけで、とりあえず先に進みます。
型紙の印刷
スケール8ですから、印刷は1/8(0.125)で行えばOK。
洋裁CADはリリース11から縮小印刷に対応したので、印刷スケールに0.125を入れます。
A4サイズに収まりました。
縫製
では、縫ってゆきます。
同じ型紙(原型は差し替え)で1/2トルソー用も同時進行で作りました。1/2と1/8サイズだと大きさ全く違いますね。
高さは1/4ですが、布の面積は1/16しかありません。人用に比べたら、なんと1/64。
トルソーはミシン、ドールは手縫いでちまちま縫いました。1/2のトルソーなら人用と同じ手法で縫えますが、ドールは全くムリ。
衿も袖もないけど、これで完成。
衿は人間用のものをそのまま作るの不可能。袖は頑張れば出来るかなぁ、というところ。今回は諦めました。
1/2トルソーとリカちゃんを並べるとこんな感じ。トルソーが巨人に見える。トルソーの方は衿も袖も普通に縫えました。1/3ドールくらいまでなら
人と同じ手法で縫えそうな気がします。
リカちゃん霊夢
2作目、霊夢のコスプレ。ワンピースと同じ手法で縫いました。
衿はレースを細く切って縫い付けました。袖は身頃と離れているので、袖山で苦労することはありませんでした。
霊夢の型紙も、ワンピースの型紙も、リカちゃんの原型も、洋裁CADに同梱していますので、気が向いた方は作ってみてください。
最終更新日： 2019-02-27 08:01:41