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新潟の七不思議

この文章は「諸国奇譚集」という本を現代語訳したものです。
こちら 昔から各所に七不思議というものが伝わっている。その中でも越後(新潟)のものは有名なので紹介しよう。

臭水(くそうず)

これは越後蒲原郡柄懸村という所から湧出する水で、この水はさび色の泥水である。この水で物を洗ったり、口を濯ぐと 全ての臭気が取れてしまうといって尊崇されている。
今日、文明の世に、これを不思議と思う者もあるまいが、知らぬ人のために話そう。
このような水は鉄分と硫黄分を含む水のことで、新潟以外でも産出するものである。

管理人注
臭水は現代では原油のこととされています。
この本で書かれているものは、臭水とはちょっと違うものかもしれません。

火の井戸

越後という国は石油のたくさん出る国であることは皆さんご存知であろう。
昔、まだ石油の知られていない頃には、地下1尺四方に深く掘り下げると、 その穴から常に火を噴きだしたから、土地のものはその火で煮物をしたものだという。
なるほど、昔の人の驚いたのも無理はない。井戸から水が出るのが普通なのに、火が出るのであるから。
これは、地下の豊富な石油に由来するガスが噴き出すため、火を持ってゆけばそのガスに火が移るのである。

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八房の梅

この梅は蒲原郡小島村にある。
小粒の実をつけるが、その周りに7個の小さな梅の実ができ、ちょうど8つの実が並んで出来るものである。
この梅は、昔親鸞聖人が捨てた梅干しから生えたものだという伝承があるが、 今日こんな話を信ずるバカ者は一人もおるまい。

管理人注
この梅の木は現在でもあって、不思議な実も実際に見ることが出来るそうです(ネットで調べたら出てきた)。
現住所、新潟県阿賀野市の梅護寺境内にあるとのこと。

三度栗

この栗は1年に3度も実を結ぶという不思議な栗である。これも、蒲原郡安田村(現住所、新潟県阿賀野市)の考順寺 境内にある。昔親鸞上人が焼き栗を捨てたものが芽を出したものであると言い伝えられている。
いくら親鸞上人といえど、焼きた栗が芽を出すはずがない。昔の人はちょっと珍しいことがあると、 すぐに、誰が植えたとか、播いたといって騒いだものだ。

管理人注
有難い出来事であればこそ、「ありがたい」と感じるのだと思いますが...
三度栗は現在もこのお寺に生えているそうですが、何代目かのものだそうです。

逆さ竹

これも親鸞上人が自分の杖を地にさしたところ、それから芽が出たとされるもの。
惜しいことに今は枯れてしまった(管理人注:今とは明治42年ころです)。
しかし、その枯れた幹は同じく蒲原郡鳥屋村浄光寺に保存してあるそうだから、物好きな人は見せて貰ったらよいと思う。
この竹には限らず、世間にはずいぶん下向きに葉や枝の出るものがたくさんあるから、少しも不思議なものではないはずだ。

管理人注
浄光寺は現在もありますが、逆さ竹の公開はしていないようですね。

即身仏

三島郡野積にあるもので、最上寺というお寺にある。
すなわちミイラで、このミイラは最上寺の開祖、弘智法因だということである。
今ではこれを不思議というより珍しいという方が至当であろう。また、依然として腐らずに 残っているというから、見たい人は行くとよい。骨と皮とで固まっているそうだ。

管理人注
ネットで検索すると、お寺は最上寺ではなく、西生寺となっています。現在でも即身仏は拝観できます。

燃える土

三島郡柿崎村から出ます。皆さんは燃える石をご存知ですかと聞かれたら、「バカらしい、石炭が燃えるじゃないか」 と言われるでしょう。今でこそ、石が燃えるというと誰も不思議に思う人はおりますまい。
石が燃えるのに、しかも石油交じりの粘土が燃えるのになにが不思議でしょう。
むしろ当たり前ではないか、世の中が開けぬうちはつまらぬものを見て不思議に思っていたのである。

最終更新日: 2018-08-27 08:58:58

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Author: Tomoyuki Ito

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